パラメータ共有でのグローバルフィット

サマリー

グローバルフィットは、複数曲線を同時にフィットする際のOriginのフィットモードの1つです。データセットは個別のままなので、フィット処理の際にパラメータ値を共有できますパラメータが共有されると、1つのパラメータ値が計算されて、全データセットに使用され、共有しないとデータセットごとに異なるパラメータ値を計算します。

対照的に、連結フィットは全データセットを一つのデータセットに連結して実行されます。非線形フィットは一つのデータセットに対して実行されますので、パラメーター値の一つのセットのみが戻されます。

Origin2016 SR2から、新しいアプリ Sequential Fit がリリースされ、複数のデータで連続したフィットが行えるようになりました。このアプリでは、現在のデータセットから取得したパラメータ値を次のデータセットでも初期値として利用出来ます。順番に共通パラメータを変化させていく必要のある複数のデータに対して、最適なアプリです。

学習する項目

このチュートリアルでは、以下の項目について解説します

  • 複数データセットを選択する
  • 異なるフィットモードを選択する
  • パラメータを共有してグローバルフィットを実行する

ステップ

  1. 新規ワークブックボタン Button New Workbook.png をクリックします。
  2. Button Import Single ASCII.png ボタンをクリックして、<Origin EXE Folder>\Samples\Curve Fitting\フォルダの、Enzyme.datファイルをインポートします。
  3. B、C列を選択してButton Scatter.pngボタンをクリックし、散布図を作図します。
  4. グラフウィンドウがアクティブなまま、解析:フィット:非線形曲線フィット...メニューを選択し、NLFit ダイアログを開きます。
  5. 再計算モードはドロップダウンから自動を選択します。
  6. 関数選択ページで、Growth/Sigmoidal カテゴリーからHill関数を選択します。
  7. データ選択ページで、入力データの隣にある三角形のボタンをクリックし、現在のレイヤのすべてのプロットを追加するを選択して、データをセットします。
  8. 複数データフィットモードのドロップダウンリストからグローバルフィットを選択します。
    Tutorial Global Fitting 002.png
  9. パラメータタブに移動し、n と n_2の固定チェックボックスにチェックを付け、それらの値を1にします。
    Tutorial Global Fitting 003.png
  10. フィットボタンをクリックして、フィットを実行します。結果シートのパラメータ表でフィット結果を確認できます。
    Tutorial Global Fitting 005.png
  11. グラフの元データプロットに、フィット曲線が追加されます。
    Tutorial Global Fitting 004 2.png
  12. この場合、最大の反応速度、 Vmax は同じかもしれません。次に、このパラメータを共有してフィットしてみましょう。
  13. レポートワークシートにある緑の鍵のアイコンをクリックして、パラメータの変更を選び、NLFitダイアログを再度開きます。
    Tutorial Global Fitting 010.png
  14. パラメータタブで、Vmaxの「共有」チェックボックスにチェックを付けます。
    Tutorial Global Fitting 008.png
  15. フィット」ボタンをクリックし、結果を生成します。両方の曲線のVmax の値が同じであることが分かります。パラメータ名のアスタリスクはこのパラメータが共有されていることを表しています。
    Tutorial Global Fitting 015.png
  16. フィット曲線も更新されました。
    Tutorial Global Fitting 016 2.png