FAQ-231 フィット結果が良いかどうかを知るには?

最終更新日: 2018/7/14

非線形曲線フィットを実行するとき、最適なパラメータを求めるために、既約カイ二乗値を最小化するように反復計算が行われます。既約カイ二乗値は、残差二乗和(RSS) を自由度(DOF)で割った値です。これは反復処理の回数を少なくしますが、通常、反復回数によって良いフィットであるかどうかは計測しません。例えば、yデータが単純にスケール因子で掛け算されている場合、自由度あたりカイ二乗も同様にスケーリングされます。


良い計測は、R二乗値 を使うことで、これは決定係数とも言われます。フィット結果がデータポイントの近づくほど、R二乗値は1に近くなります。R二乗の値が大きくなっても、自由度が値に影響を与えるので、良いフィットであるとは限りません。つまり、パラメータの数が多くなると、R二乗値 は大きくなりますが、フィットが良くなった訳ではありません。補正R二乗値 は自由度を考慮し、これは良いフィットであるかどうかの指標となります。


Originは、線形回帰、多項式回帰だけでなく、非線形回帰に対してもR二乗と補正R二乗を出力します。そして、非線形回帰に対しては既約カイ二乗値を出力します。出力レポートシートは、これらの値を含めたり、取り出したりするようにカスタマイズすることができます。


統計的には、特定のフィット結果が良いかどうかを検討するより、2つのフィット結果を比較することが適切です。OriginProが提供している統計検定があり、これは2つの異なるモデルで1つのデータセットを比較するものです。つまり、例えば、1つまたは2つの項を持つ指数関数で減少データのフィットを比較し、2項のフィットを使う方が指定したデータに対して適切かどうかを調べます。また、2つのデータセットが同じ母集団である場合に、1つのフィット関数で2つのデータセットを比較することも出来ます。


Origin9.1以降のバージョンでは、カテゴリでフィット関数をランク付けし、そのフィット結果が最善な関数を使用してフィットするツールを提供しています。Originのメニューから、解析:フィット:モデルのランクづけを選択します。



キーワード: 適合, r^2, カイ二乗, 決定係数, 許容値, 良いフィット, 悪いフィット