tTest-TwoSample-Algorithm
2群の t検定はスチューデントのt統計量と関連する確率を計算し、2つの標本の平均の差がに等しいかどうかを検定します(例:2つの平均が等しいかどうかを検定するにはその差が0、つまりであるかどうかを検定します)。そして、仮説は次の形式をとります。
Vs 両側
Vs 上側
Vs 下側
標本サイズがと、平均がと、分散がとである2つの独立した標本とが、2つの正規分布する母集団からそれぞれ得られたものだとすると、下記の式で表すことができます。
, , ,
ここで、とは標本平均で、とは標本分散です。そして、t 検定統計量を次の式で計算します。
ここでは、等しい分散であると仮定され、それはになります。
検定の統計量tは次のようになります。
これは自由度 を持つt 分布であり、
は、2つの標本のプール分散です。
等しい分散ではないと見なされる場合
通常の2標本の t統計量はt分布ではないので、近似した検定の統計量t'が使われます。
そして、自由度vを持つt分布が、t’の分布の近似に使われます。
限界値を持つtの値を比較し、次の場合、帰無仮説を棄却します。
両側検定: ;
上側検定: ;
下側検定: ;
p 値もユーザ指定の有意水準, と比較され、その値は通常0.05が使われます。帰無仮説は、の場合棄却されます。
上側と下側の平均の相違に対する信頼水準は次のように計算されます。
等しい分散であると見なされる場合
ここで、は自由度vを持つt-分布の限界値です。
2群の t検定の検出力は、その感度の測定です。検出力の計算に関する詳細なアルゴリズムについては、検出力とサンプルサイズヘルプをご覧下さい。
2群のt検定の計算は、NAG関数nag_2_sample_t_test (g07cac)を使っています。アルゴリズムについての詳細は、対応するNAG文書を参照して下さい。