スムージング

スムージングは信号データからノイズを除去するのに使用される標準的な信号処理のテクニックです。

信号データに含まれる信号とノイズの種類によって異なる複数のスムージング法があります。各手法は、スムージング結果が最も良くなるように異なる計算を行います。Savitzky-Golay法は、ピークの形状を保持しようとします。隣接平均法は幅広いスムージングを行い、パーセンタイルフィルタ法(特に50パーセンタイルフィルタやメディアンフィルタ)は基準から外れたノイズを取り除くことができます。

通常のノイズが含まれている信号データでは、Savitzky-Golay法や隣接平均法がバックグラウンドノイズ除去を行うのに適しています。

その名前が示すように、隣接平均法は信号データ内の各データポイントの前後のユーザが指定したデータポイント数の平均を取り、計算した平均値でデータポイントを置き換えます。

Savitzky-Golayフィルタ法は、各データポイントの前後で局所的な多項式回帰を実行し、各データポイントに対して新しいスムージングした値を作成します。この手法は、ピークの高さと幅のようなデータの特徴を保持しようとするので、データの特徴を平滑化してしまう隣接平均法よりも優れています。結果の滑らかさを大きくするには、ウィンドウサイズを大きくするか、各局所回帰で使用されるデータポイントの数(npts)を多くします。(ウィンドウのポイントオプションを使う) しかし、ウィンドウサイズが非常に大きい場合、隣接平均法は入力信号データから離れてしまいますが、Savitzky-Golay法は信号波形の全体的な形状を保持します。

ショットノイズを持つ信号データに対しては、ノイズが局所的にスパイク(とがった波形)として表れる場所では、50パーセンタイルフィルタ(またはメディアンフィルタ)が最も良い結果を得ることができます。この手法は、囲んでいるポイントの中央値で各ポイントの信号値を置き換えます。以下のグラフは、メディアンフィルタを使ってデータをスムージングした例です。

Image:Smoothing1.gif

信号に高周波ノイズが含まれている場合、FFTフィルタを利用することができます。フィルタにより、実信号を除く全ての高周波ノイズが除去されます。

注1:入力範囲のYデータだけがスムージングを計算するのに使われます。入力したXデータは、単にデータプロットや出力Xデータの生成に使われ、計算には使われません。

注2:パーセンタイルフィルタは、以下のグラフで示すように入力信号の包絡線を検出するのに使われます。上側の包絡線を見つけるには、高いパーセンタイル値が使われ、低いパーセンタイル値は下側の包絡線を見つけるのに適しています。

Image:Smoothing2.gif

スムージングツールを使うには:

  1. ワークブックまたはグラフをアクティブにします。
  2. Originメニューから解析: 信号処理: スムージングを選択します。

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