ASCIIインポートオプションをカスタマイズする

ASCIIファイルの構造が単純で、パラメータに抽出するヘッダ行など複雑な機能が必要なければ、単一ASCIIインポートまたは複数ASCIIインポート機能のどちらかを使って、ファイルをインポートすることができます。ここでも、 impASC ダイアログボックス内のオプションを使って、インポート設定を編集することができます。 ASCIIインポートオプションで必要な調整を行ったら、次の2つの方法のどちらかで設定を保存することができます。

  • テーマファイルとして保存テーマファイルとして保存すれば、後でそのテーマを呼び出し、その保存した設定で、同じ構造のファイルをインポートできます。
  • テンプレートとして保存。 インポートが終了すると、編集した設定はデフォルトとして<シート>に保存され、ワークシートの一部になります。このオプションは、分析テンプレートを使った複数ファイルのバッチ処理を行うのに適しています。

impASCダイアログ(下図参照)を開くには、データ:ファイルからインポート:複数ASCIIまたはデータ:ファイルからインポート:単一ASCIIファイルを選択します。ASCIIダイアログでオプションダイアログを表示するにチェックをつけ、目的のファイルを選択してからOKをクリックします。

Import ASCII Basics-1.png

Note: テンプレートを開いてこれらの設定をテンプレートに保存するには、テンプレートを再保存(ファイル:テンプレートの新規保存)をする必要があります。

インポートオプション

スパークラインの追加

インポートデータのスパークラインを追加するかどうかを指定します。

  • しない: インポートデータに対するスパークラインを追加しない
  • する: インポートデータに対するスパークラインを常に追加する
  • する(50列未満): インポートデータが50列以下の場合に、スパークラインを追加する
第1ファイルインポートモード

この設定は、インポートデータを追加する場所を決めます。

  • 既存データを置き換え
    1つのファイルの場合、アクティブワークシートの既存データを置き換えます。複数ファイルの場合、最初のファイルはアクティブワークシートの既存データを置き換え、他のファイルは新しいワークブック(テンプレート名ドロップダウンリストで指定可能)を作成してデータをインポートします。
  • ブックを新たに作って読み込む
    各ファイルのデータを新しいワークブックにインポートします。
  • シートを新たに作って読み込む
    既存の空のシートにデータをインポートします。もし何もシートがなければ、新規に作成されます。ブックには最大で1,024のシートを追加することができます。
  • 列を追加して読み込む
    各ファイルを最初の空の列から新しい列を作成してインポートします。それぞれのファイルのヘッダは、対応するロングネーム単位等として付加されます。
  • 行の末尾に追加する
    各ファイルを最初の空の行から新しい行を作成してインポートします。最後のファイルのヘッダのみロングネーム単位等として付加されます。
複数ファイルのインポートモード(第1ファイル以外)

ファイル番号2からn のインポートモードです。

  • ブックを新たに作って読み込む
    各ファイルのデータを新しいワークブックにインポートします。
  • シートを新たに作って読み込む
    既存の空のシートにデータをインポートします。もし何もシートがなければ、新規に作成されます。ブックには最大で1,024のシートを追加することができます。
  • 列を追加して読み込む
    各ファイルを最初の空の列から新しい列を作成してインポートします。それぞれのファイルのヘッダは、対応するロングネーム単位等として付加されます。
  • 行の末尾に追加する
    各ファイルを最初の空の行から新しい行を作成してインポートします。最後のファイルのヘッダのみロングネーム単位等として付加されます。
テンプレート名

データインポートにおいて、ワークブックテンプレート (*.otw) または分析テンプレート (*.ogw) を使用できます。このフィールドに拡張子付きのテンプレートファイル名を直接入力するか、参照ボタンをクリックして1つを選択します。これは、インポートモード既存データを置き換えるブックを新たに作って読み込むまたはシートを新たに作って読み込むの場合のみ利用できます。

  • デフォルトでは、Originのワークブックテンプレート<デフォルト> が使用されます。
  • <クローン>では、アクティブなワークブックをテンプレートとして、現在のワークシート・ブックのコピーにファイルをインポートします。
  • Origin2018b以降では<クローン>は、インポートしたデータを持つ再計算を含む分析自動に設定されなければなりません。この再計算は分析ツールの再計算モードの設定に関わらず、自動的に行われます。この再計算結果はデータインポートに使われた名前のあるテンプレートには適用されません。名前の付いたテンプレートを利用する場合、自動 アップデートである必要があります。

ヘッダ行

ヘッダ行の自動決定

Originにメインヘッダとサブヘッダの行数を自動的にチェックさせるには、このチェックボックスにチェックを付けます。

通常、ヘッダ行は、データと同じような構造をしていません。サブヘッダ行は通常、データと同じように構成されています(つまり、なにか区切り文字があるか固定の列構造をもっています)。

自分でこれら2つの値を指定する場合、このチェックボックスのチェックを外します。

行番号を最下部より開始

このチェックボックスにチェックを付けると、ショートネーム、ロングネーム、単位、コメント(開始/最終)、パラメータ(開始/最終)、ユーザパラメータ(開始/最終)の行番号は、サブヘッダの下から上に数えられた番号になります。

このチェックを外すと、通常のように上から下に数えられます。

メインヘッダ行

特に測定器から出力されたいくつかのファイルは、ファイルの先頭にヘッダ情報を含んでおり、これは機器を識別したり、作業者、日付、データ数などの情報で、これらはメインヘッダ行となります。このコントロールを使用して、メインヘッダー行の数を決定する方法を指定できます(Note: このコントロールは、ヘッダ行の自動決定チェックボックスがオフの場合のみ使用できます)。

  • 固定数
    このラジオボックスを選択し、テキストボックスにメインヘッダ行数を入力します。
  • 頭文字による
    このラジオボックスを選択してメインヘッダ行を決める頭文字を入力頭文字に入力します。このコントロールはOrigin 2018b以降で利用可能です。
サブヘッダの行数

このオプションはサブヘッダ行の自動判断のチェックが外れている場合のみ利用できます。

このリストを使って、ファイルのサブヘッダの数を指定することができます。

ロングネーム

ワークシート列ラベル行に読み込むASCIIファイルヘッダの行を指定します。

<なし>を選択すると、ラベル行は空のままになります。

単位
コメント(開始/最終)
システムパラメータ(開始/最終)
ユーザパラメータ(開始/最終)
合成ヘッダ行番号 インポートするファイルの同じ行に名前や単位がある場合(例: Wavelength (nm), Intensity (a.u.))、サブヘッダ行を指定し、1行のヘッダ式を使ってヘッダ情報をどう読み込むか指定します。
合成パターン 合成ヘッダ行を解析するオプションを選択します。 対のトークン("()", "[]", "{}")、単一のトークン ("/", "-", "#")、または繰り返しトークン(たとえば "###")、それに応じてヘッダー行を解析します。

ファイル構造

データ構造

ASCIIデータ構造には2種類あります。

  • 区切り-単数文字列区切り-複数文字列: ファイル内の各データが文字あるいは複数の文字で区切られている(通常、カンマやスペース)
  • 列幅の固定: 列幅固定のファイル

Originは単一ASCIIファイルをインポートするときに、正確なデータ構造を推測していますが、ファイルの構造によってはそれができない場合があります。 ファイルが正確にインポートされていない場合は、これらの制御を行ってください。

区切り文字

区切り-単数文字列を選択したときに使用できます。タブ/スペースタブコンマ(,)セミコロンスペース不明その他から選択します。

  • 不明を選択していると、Originはファイル内に繰り返されている区切り文字を探します。
  • その他を選択すると、他の区切り文字が追加されます(次を参照)。
他の区切り文字

次のどちらも正しい場合、

  • データ構造 = 区切り- 単数文字列
  • 区切り文字 = その他

... その他の区切り文字 ボックスを使って、区切り文字を入力します。 (例. ':' or '/').複数の区切り文字 がご利用頂けます。この場合、一連の区切り文字を1つとして扱うボックスを見ます。(次の参照)

一連の区切り文字を1つとして扱う

次の全てが正しい場合、

  • データ構造 = 区切り- 単数文字列
  • 区切り文字 = その他
  • 複数の区切り文字を他の区切り文字に入力していますので、

... このボックスにチェックを入れ、複数の文字を単位として扱います。ボックスにチェックをつけない場合、複数の文字を有効な区切り文字のリストとして解釈し、一致する文字または一致する文字のシーケンスが区切り文字として扱われます。

複数文字

これはデータ構造区切り-複数文字列が選択されている時のみ表示されます。区切り文字の順序付きシーケンスを入力します(区切り文字とみなされる場合を除き、空白とコンマ区切り記号は使用しないでください)。一致するシーケンスを1つの区切り文字として扱います。

このテキストボックスに{tab}文字を入力するには、メモ帳を開きTabキーを押します。入力されたTabのスペースをコピーして貼り付けます。

列幅

固定の列幅を持つファイルでは、『データ構造』を「列幅の固定」にして、『列幅』フィールドに幅を入力します。 カンマで各データを区切ることで異なる列幅を指定できます。 データの列数が、指定した列幅の個数を超えたら、Originは最後の値を使って、残りのすべての列にその幅をセットします。 幅の値を1つ入力すると、Originはすべての列にその幅をセットします。

数字の区切り

数字の区切りは言語によりさまざまです。 デフォルトの<自動>環境設定: オプション数値の表現形式タブにあるASCIIインポートにおける区切りの設定を使用します。特に指定しない限り、ASCIIインポートにおける区切りはWindowsの設定を使用します。 他のオプションを使用すると、単純なASCIIファイルをアクティブなブックにインポートするときに使用する代替スキームを指定できます。

カスタム日時フォーマット

ドロップダウンリストから日付フォーマットを選択、またはカスタム日付フォーマット文字列に入力します。詳細は、 カスタム日時フォーマットページをご覧下さい。

カスタム時間フォーマット

ドロップダウンリストから日付フォーマットを選択、またはカスタム日付フォーマット文字列に入力します。詳細は、 カスタム日時フォーマットページをご覧下さい。

データを置換

このチェックはインポート中にデータを変更するか指定します。

列数

インポートする列数 n を指定します。 インポートするファイルがn 列以上ある場合、最初の n 列だけがインポートされます。 n 列以下のファイルの場合、追加の列(空白列)を作成せずにファイル全体をインポートします。

このリストで 0 が選択されていると、Originはファイル内のすべての列をインポートします。

列タイプの自動決定

このチェックボックスにチェックが付いていると、Originは自動的に各列に文字または数値が含まれているかどうかを調べ、それに従って、列の フォーマットを設定します。

このチェックボックスにチェックが付いていないと、Originはインポート先のワークシート列のフォーマット設定をそのまま使用します。この場合、入力フォーマットは、データを消失するのを避けるため、ワークシート列フォーマットと同じにしてください。

データ構造決定のための最少調査行数

データ構造判別のために調査する、最少の行数を指定します。 選択した行数が同じ構造を持っていることが分かると、この構造がファイル全体に対するデータ構造として使われます。

データ構造の最大行数 ヘッダ行数より多く、ファイル内の行数より少ない数値を入力します。
列のXY属性

インポートしたExcelワークブックデータにOriginのプロット属性を適用します。 ドロップダウンリストから選択、または、属性を直接入力します。このオプションはインポートウィザードと同じ列属性シンタックス(例えば、属性の繰り返しなど)を使用できます。詳細は、このページを参照して下さい。

ファイル名

ファイル名による自動名前変更

チェックが付いていると、Originはデフォルト設定を使って、ワークシートとワークブックの名前を変更します。

  • ファイル名全体(拡張子を除く)をワークシート名として使用
  • ワークブックが空の場合またはインポートモードが既存データの置き換えの場合、ファイル名全体(拡張子を含む)をワークブックのロングネームとして使用。
シート名を(部分)ファイル名に変更する

インポート先のワークシートをファイル名で置き換えます。 指定した名前のシートが既に存在している場合、シート名に番号が付けられます。 このチェックボックスは、『名前の自動変更』にチェックが付いていないときのみ利用できます。

ファイル名の短縮(開始位置/終了位置)

これら2つのテキストボックスを使って、ワークシートの名前を変更するのに使用するファイル名の一部を指定します。

ブック名を(部分)ファイル名に変更する

インポート先のワークブック名をファイル名に変更します。 このチェックボックスは、名前の自動変更にチェックが付いていないときのみ利用できます。

ファイル名の短縮(開始位置/終了位置)

これら2つのテキストボックスを使って、ワークブックの名前を変更するのに使用するファイル名の一部を指定します。

ブックのロングネームのみを変更する

これにチェックを付けると、ブックのロングネームのみ名前を変更します。

ブック名の変更時にファイルパスを含める

これにチェックが付いていると、インポートしたファイルのパスがワークブック名に追加されます。

ファイル名をワークブックコメントに含める

ワークブックのコメントにファイル名を追加します。

ワークシートのコメントにファイル名を付加

ワークシートのコメントにファイル名を追加します。

列コメントにファイル名を追加

ワークシートのコメントヘッダ行にファイル名を追加します。 コメント行が非表示の場合、自動的に表示されます。インポートする各列に対してその値は繰り返されます。これは複数ファイルのインポートモードが新しい列の場合に便利です。

ファイル名をユーザパラメータ行に追加

ここにチェックを入れると、そのファイル名はユーザパラメータ行 ソースファイルに追加されます。

ファイル名の追加の際にパスを含める

これにチェックが付いていると、インポートしたファイルのパスがファイル名と一緒に含まれます。

部分インポート

部分インポート

このドロップダウンリストは複数ファイル(第一以外)のインポートモード列を追加して読み込むに設定されている場合に有効です。

Ascii partial import drop-down.png

  • 全てのファイル: 選択された全てのファイルに部分インポートを適用します。
  • 2番目のファイルから:1番目のファイルを除き、2番目のファイルから部分インポートを適用します。
列の一部

このブランチでは、インポートするファイルを列で制御します。

  • 開始終了
インポートを開始及び終了する列番号を指定します。
  • 列の読み込みスキップ
読み込みに値lを指定しスキップに値kを入力すると、 (l+k)列毎にl 列がインポートされ、k 列が読み飛ばされます。
  • カスタム
カスタムの場合、列選択を指定する表記を部分インポートと再インポートで確認してください。
行の一部

このブランチでは、インポートするファイルを行で制御します。

  • 開始終了
インポートを開始及び終了する行のインデックスを指定します。
  • 読み込みスキップ
読み込みに値lを指定しデータ行をスキップに値kを入力すると、 (l+k)行毎に、l 行がインポートされ、k 行が読み飛ばされます。
  • カスタム
カスタムの場合、行選択を指定する表記を部分インポートと再インポートで確認してください。

その他

引用符付きテキスト

引用符を指定します。

  • 引用符なし
  • 引用符 " を使用
  • 引用符 ‘を使用
引用符付きデータから引用符を外す

このチェックボックスにチェックが付いていると、ファイルインポート時に引用符を削除します。

数字の先行ゼロを消去

先頭にゼロが付いている数値からゼロを取り除きます。

非数値が数値項目に見つかった時

非数値が数値項目に見つかった時」ドロップダウンリストの選択により、ヘッダ行以下の数値列に非数値情報が見つかった時にOriginがどのように処理するかを指定します。 ドロップダウンリストから、次のオプションを選びます。

  • インポートの中止
  • スキップ
  • テキストとして読み込む
  • 新しい(非表示)のブックで開始
  • 新たなワークシート(+ヘッダ)を作って続ける
  • 列(+ヘッダ)を追加して続ける

詳細は、数値フィールドにおける非数値データコントロールをご覧ください。

全てのテキストデータのインポートを許す

すべてのテキストデータをインポートするかどうかを指定します。

ワークブック中のファイル情報を保存

ファイル情報をワークブックに保存するか指定します。これはワークブックオーガナイザで確認できます。ファイル情報を保存するには通常より時間が必要になります。複数のファイルをインポートする時の速さを改善したい場合はこのチェックを外した方がいいかもしれません。

スクリプト

それぞれの各ファイルインポート後のスクリプト それぞれのファイルをインポートした後、編集ボックスに入力されたLabTalkスクリプトを実行します。
全てのファイルインポート後のスクリプト すべてのファイルをインポートした後、編集ボックスに入力されたLabTalkスクリプトを1回だけ実行します。