ワークシート列の数値データの表示を制御するWks-Col
列に名前を付けたり、 列のXY属性を設定することに加え、列データの表示フォーマット(文字と数値など)やデータ型(例えば、数値データを"double"や"real"など)を指定することができます。 デフォルトで列の表示フォーマットは文字と数値を取り扱うように設定されていますが、システムリソースの制限などがある場合、数値のみに制限することができます。さらに数値型のデータ型を指定することにより、数値データに割り当てられるメモリの大きさをさらに小さくすることができます(下記注意参照)。
数値 vs 文字と数値
数値型のデータ列を使った場合のメリットとして、メモリの節約があります。数値型データは倍精度実数(8)の形式をしていますが、文字と数値型では、それより約20%余分のメモリが使われます。一般に、この余分なメモリ使用が問題となることは少ないでしょう。システムリソースを最大化することを心配する場合は、新しいワークシートのすべての列に倍精度実数(8)を使用するようにOriginを設定できます。
- メニューから環境設定:オプションを選びます。
- その他のオプションタブをクリックします。
- 『列データ型として数値型を基本とする』を選択します。
さらに、数値データの列にカスタムフォーマットを適用する場合は、列のフォーマットを文字と数値から 数値変更する必要があります。文字と数値は通常Originのカスタム表示フォーマットをサポートしますが、何か問題が起きた際にフォーマットを数値に設定することで解消することがあります。
数値データ型とメモリの割り当て
数値データで操作するとき、列プロパティダイアログボックスの「内部データ表現」ドロップダウンリストを変更することで、各データ値に割り当てられるメモリの大きさを調整することができます。 例えば、メモリをもっと節約したければ(例えば50%節約)、表示フォーマット=数値にして、内部データ表現ドロップダウンリストからReal(4)を選択します(下記注意を参照して下さい)。
列プロパティダイアログボックスを開くには
- 列ヘッダをダブルクリックします。
または、
- 選択した列を右クリックして、列フォーマットを選択します。
または、
- 列を選択して、メニューからフォーマット: 列フォーマットと操作します。
- そして、
- 列プロパティダイアログボックスで、表示フォーマットから数値を選びます。
- データ型ドロップダウンリストから選択します。
ワークブック
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バイト
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値の範囲
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double
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8
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±1.7E±308 (15ケタ)
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real
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4
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±3.4E±38 (7ケタ)
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short
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2
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32,768から32,767
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long
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4
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2,147,483,648から2,147,483,647
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char
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1
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-128から127
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byte
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1
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0から255
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ushort
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2
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0から65,535
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ulong
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4
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0から4,294,967,295
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complex
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16
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±1.7E±308 (15桁)、それぞれ8バイト
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注意:データ型の値がDouble(8)より小さいとさまざまな計算を実行する際に問題が発生する場合があります。同様の理由から、内部データ表現の指定は実際のデータが入力される前に設定されていなければなりません。データ型が適切ではなかった場合、データの精度が失われるなどの問題が生じる可能性があります。
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列のデータ型と桁表示
(「ワークシート列フォーマット」ダイアログボックスで)ワークシート列のデータ型が、数値または文字と数値に設定されているとき、桁数表示は、「列プロパティ」ダイアログボックスのこれらの組み合わせで決まります。
- 表示フォーマット十進数、指数、工学、あるいはカスタムからフォーマットを選択します。
- 桁数指定法列(データセット)で表示する小数点以下の桁数または有効桁数です。
指定していない場合(例えば、数値の桁表示にデフォルト桁数を設定)、Originはオプションダイアログボックスの数値の表現形式タブにある小数点以下の桁数の設定を使います。
列プロパティダイアログボックスでの数値の桁表示の設定は、オプションダイアログボックスのグローバルな設定に優先して使用されます。
- メニューから、環境設定:オプションを選びます。
- 数値の表現形式タブをクリックします。
- 桁数を設定します。
- アクティブなワークシートで、メニューのフォーマット:列フォーマットを選ぶか、列のヘッダ部分をダブルクリックします。これで列プロパティダイアログボックスを開きます。
- 桁数指定法をデフォルト桁数から小数桁数=または有効桁数=に変え、「桁数」テキストボックスに数値を入力します。(最大の小数桁数は12桁、最大の有効桁数は15桁です。)
- 任意で、右側全列に上記設定を適用チェックボックスを選択します。
表示値と実際値に関する注意
ワークシートにデータをインポートしたり入力したりするとき、Originは、桁数/小数桁数の設定を使用して各セルにデータを表示します。これは単にデータセットを視覚的に表現したものです。実際のデータ値は保存され、計算を実行するときに使用されるのは実際のデータ値であり、データ型の制限と割り当てられたメモリの量と一致します。セルに表示される値ではありません。
10進数、指数、工学表記
Originは、十進数:1000, 指数:1E3, 工学:1k, 10進数:1,000 の形式でワークシートデータを表示します。十進数:1000, 工学:1k, 十進数:1,000では、Originは「オプション」ダイアログボックスの「数値の表現形式」タブにある『ベキ乗表現の上限しきい値』および『ベキ乗表現の下限しきい値』を設定するオプションを使用します。
デフォルトでは、『ベキ乗表現の上限しきい値』および『ベキ乗表現の下限しきい値』は、それぞれ 6 および -3に設定されています。データが、1x10-3 から 1x106の範囲にある場合、データは列プロパティダイアログの表示フォーマットドロップダウンリスト(「オプション」グループ)の設定に従って表示されます。データが、下限値または上限値を超えた(つまり、1x10-3より小さいまたは1x106より大きい)場合、データは表示の設定を無視して、指数表記になります。
- 「環境設定:オプション」を選択します。
- 数値の表現形式タブをクリックします。
- 『科学的表記への変換契機』グループにある『ベキ乗表現の上限しきい値』および『ベキ乗表現の下限しきい値』を設定します。
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