逆行列

内容

説明

Xファンクションminverse は、随伴行列をその決定因子で除算する方法で、逆行列を生成します。行列が逆行列または決定因子を持たない場合、Moore-Penrose疑似逆行列が計算されます。

この機能を使用するには、

  1. データを持つ新しい行列を作成します。
  2. 行列をアクティブにします。
  3. メインメニューから解析:数学:逆行列を選択すると interp2 ダイアログボックスが開きます。

ダイアログオプション

再計算

分析結果の再計算を制御します。

  • なし
  • 自動
  • 手動

詳細は、以下をご覧下さい。分析結果の再計算

入力行列

入力行列を選択します

範囲制御についてはこちらを確認してください:入力データを指定する

出力行列

逆行列の出力場所を指定します。

範囲制御についてはこちらを確認してください:結果の出力

アルゴリズム

A\! の正方階数行列に対し、逆行列 A^{-1}\! (正則行列)は次の関係を満たします。

AA\!^{-1}=A\!^{-1}\!A=I\!

ここで I\! は単位行列です。

A^{-1}\! の計算は次のように表現できます。

A^{-1}=\frac 1{|A|}A^{*}

ここで、|A|\! は行列 A\! の決定因子で、A^*\! は随伴行列です。

A^*=\begin{bmatrix}
a_{11}      & \cdots & a_{1n}     \\
\vdots & \ddots & \vdots \\ 
a_{n1}     & \cdots & a_{nn}
\end{bmatrix}

a_{ij}=\left( -1\right) ^{i+j}|A^{ij}|

ここで、A^{ij}\! は、A\!i_{th}\!j_{th}\! 行を取り除いた行列 (n-1)\times (n-1) です。

行列が逆行列または決定因子を持たない場合、Moore-Penrose疑似逆行列が計算されます。これは、どんな (m,n)\! 行列に対しても存在します。

(m\times n) 行列の A\! が与えられると、A^+\! は固有の n\times m\! 疑似行列です。m>n\! でA が最大階数行列の場合、A^+\! は次の式を満たします。

A\!^{+}=(A^TA)\!^{-1}A\!^T

計算は、行列A\! の特異値分解(SVD)に基づいており、許容値以内のどんな特異値も0として扱われます。A\! の階数が最大でない場合、行列は小さい行列に合わせて縮小されます。

参考文献

1.E. H. Moore:On the reciprocal of the general algebraic matrix.Bulletin of the American Mathematical Society 26, 394-395 (1920).
2.Roger Penrose:A generalized inverse for matrices.Proceedings of the Cambridge Philosophical Society 51, 406-413 (1955).