ピークと基線

このセクションでは、ピークと基線の計算を実行するOriginのXファンクション、特にスペクトル分析で役立つ分析を扱います。

ピーク分析のためのXファンクション

次の表は、ピーク分析で利用できるXファンクションを一覧表示します。これらの関数についての情報は、Xファンクションリファレンスヘルプにあります。

名前 説明
pa

事前に保存したピークアナライザテーマファイルを使ってピーク分析を実行します。

paMultiY 複数のYデータセットに対してピーク分析のバッチ処理を実行します。
pkFind

ピークを検出します。

fitpeaks

複数ピークをフィットします。

blauto

基線のアンカーポイントを作成します。

interp1xy

基線のアンカーポイントを補間し、基線を作成します。

subtract_ref

既存の基線データセットを元のデータから減算します。

smooth

ピーク分析を実行する前に入力をスムージングします。

integ1

選択した範囲またはピークに積分を実行します。

基線の処理やその他のオプションを必要としないピークに対して、ピーク関数を使って非線形フィットを実行できます。スクリプトから非線形フィットを実行する詳細な情報は、曲線フィットセクションをご覧ください。

次のセクションは、ピーク分析のサンプルを提供するものです。

基線を作成する

このサンプルは、サンプルデータファイルをインポートし、blauto Xファンクションを使って、基線のアンカーポイントを作成します。

newbook;
filepath$ = "Samples\Spectroscopy\Peaks on Exponential Baseline.dat";
fname$ = system.path.program$ + filepath$;
impASC;
 
//20個の基線のアンカーポイントを作成
range rData = (1,2), rBase =(3, 4);
blauto iy:=rData number:=20 oy:=rBase;

同じグラフにデータとアンカーポイントをプロットします。

// データの折れ線グラフをプロット
plotxy rData 200 o:=[<new>];
// 基線のポイントを同じレイヤに散布図でプロット
plotxy rBase 201 color:=2 o:=1!;

ピークを検索する

このサンプルは、pkfind Xファンクションを使って、XYデータのピークを探します。

// サンプルのパルスデータをインポート
newbook;
fname$ = system.path.program$ + "Samples\Spectroscopy\Sample Pulses.dat";
impASC;
// ピーク高さ0.2以上のすべての正ピークを探す
range rin=(1,2);
range routx = 3, routy=4;
pkfind iy:=rin dir:=p method:=max npts:=5 filter:=h value:=0.2
       ocenter:=<none> ocenter_x:=routx ocenter_y:=routy;

データを折れ線グラフでプロットし、ピークのxyデータを散布図でプロット

plotxy iy:=rin plot:=200;
// x出力列をXとしてセットし、Y列をプロット
routx.type = 4; 
plotxy iy:=routy plot:=201 color:=2 o:=1;

ピークの積分とフィット

Xファンクションは、直接ピークを積分するか、複数のピークをフィットすることを目的にするよう指定します。そのため、ピークフィットまたは積分を実行するには、まず、ピークアナライザダイアログを作成し、それをテーマファイルとして保存します。テーマファイルを保存したら、 pa または paMultiY Xファンクションを利用して、スクリプトから積分またはピークフィットを実行します。