スムージング

概要

スムージングは、信号からノイズを除去するために使用される、一般的なテクニックです。Originは、隣接平均、Savitzky-Golay、パーセンタイルフィルタ、FFTフィルタなどのいくつかのスムージング手法をサポートしています。さらに、ウェーブレットをベースにしたツールも利用可能です。

行列データに対しては、Originは2つの方法によるスムージングを提供しています。もし、列または行の数が32より少ない場合、行列を拡張し、その後実際のサイズに縮小します。31よりも大きい場合は、最初に縮小する場合、行列は、その後拡大します。

学習する項目

このチュートリアルでは、以下の項目について説明します。

  • 様々な手法によるスムージング
  • ウェーブレットで信号をスムージングする
  • 3D曲面をスムージングする

様々な手法によるスムージング

  1. 新しいワークブックを用意します。ヘルプ: フォルダを開く: サンプルフォルダを選択して、サンプルフォルダを開きます。このフォルダ内のSignal ProcessingサブフォルダにあるSSignal with High Frequency Noise.dat ファイルを探します。空のワークシートにファイルをドラッグアンドドロップしてインポートします。
    SP Tutorial Smoothing 1.png
  2. ワークシートのB列を選択します。メニューから解析:信号処理:スムージングと選択し、(もしこの機能を以前使用したことがある場合は、さらにダイアログを開くを選択します)スムージング: smooth ダイアログを開きます。

隣接平均法

隣接平均法は、データの広範な平滑化を実行します。

  1. 方式隣接平均法を選択します。ウィンドウ内のポイント数100に、境界条件周期的にします。自動プレビューにチェックを付け、右パネルでプレビューを表示します。
    SP Tutorial Smoothing 2.png
  2. OK をクリックして、結果を作成します。

Savitzky-Golay

Savitzky-Golay法は、信号ピークの形状を保存するのに適しています。

  1. 再度B列を選択します。解析メニューにて、信号処理:スムージング:ダイアログを開く...を選択します。
  2. スムージングダイアログボックスにて、方式Savizky-Golayとします。 ウィンドウ内のポイント数100に、境界条件周期的に、多項式次数3とします。
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  3. OKをクリックします。

パーセンタイルフィルタ

  1. 再度B列を選択します。解析メニューにて、信号処理:スムージング:ダイアログを開く...を選択します。
  2. 方式パーセンタイルフィルタにします。ウィンドウ内のポイント数100に、境界条件周期的に、パーセンタイルはデフォルト設定の50とします。
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  3. OK ボタンをクリックします。

FFTフィルタ

  1. 再度B列を選択します。解析メニューにて、信号処理:スムージング:ダイアログを開く...を選択します。
  2. 方式FFTフィルタにします。ウィンドウ内のポイント数100にします。
    SP Tutorial Smoothing 5.png
  3. OK をクリックして、ダイアログを閉じます。
  4. これで、ワークシートに4つの結果データ列が追加されます。列C、D、E、Fを選択して、メニューの作図>基本の2Dグラフ:折れ線と選択してこれら4つのデータののグラフを作図します。
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  5. 4つの方法の結果を比較すると、Savitzky-Golay法がデータ内のピークを保存するのに最適で、一方FFT フィルタ法はピークの保存には適さないことがわかります。

ウェーブレットを用いたスムージング

  1. 新しいワークブックを用意します。ヘルプ: フォルダを開く: サンプルフォルダを選択して、サンプルフォルダを開きます。このフォルダ内のSignal ProcessingサブフォルダにあるSSignal with High Frequency Noise.dat ファイルを探します。空のワークシートにファイルをドラッグアンドドロップしてインポートします。
    SP Tutorial Smoothing 1.png
  2. B列を選択して、解析:信号処理:ウェーブレット:スムージング を選択し、スムージング:wtsmoothダイアログを開きます。
  3. ダイアログで、ウェーブレットの種類DB6にし、カットオフ値(%)98にします。ダイアログの自動プレビューチェックボックスにチェックを付け、右パネルでプレビューできるようにします。
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  4. OK をクリックしてダイアログを閉じ、レポートを作成します。
  5. 元のデータと比べるために、全ての列を選択して作図>基本の2Dグラフ:折れ線と選択してグラフを作図します。
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行列をスムージング

  1. 新しい行列ブックを開きます。
  2. データ:ファイルからインポート:イメージファイルを行列にインポートを選択してサブフォルダ<Origin Installation Directory>\Samples\Image Processing and Analysis\の下の画像scale.jpgをインポートします(impImageダイアログボックスが開いていれば、デフォルト設定のままOKを押します)。
  3. Originのスムージングは画像には適用できないので、まず画像を行列データに変換する必要があります。メニューから、イメージ:変換:データに変換を選択します。デフォルト設定のまま、OKボタンをクリックします。
  4. 変換された行列データをアクティブにし、メニューから表示:イメージモードを選択して行列データをイメージとして表示します。
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  5. 解析:信号処理:スムージングを選択してスムージングを行います。スムージング:msmoothダイアログが開きます。
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  6. 初期設定のまま、OKボタンをクリックします。メニューから表示:イメージモードを選択して結果を表示します。
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