IIRフィルタ


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概要

OriginではIIR(無限インパルス応答、Infinite Impulse Response)型のデジタルフィルタのデザイン、分析、活用を行えます。IIRフィルタはButterworth第一種Chebyshev第二種Chebyshev楕円の4つの方法を備えています。

これで信号処理を行うユーザに、より多くの選択肢を提供します。


必要なOriginのバージョン: 9.0 SR0以降

学習する項目

このチュートリアルでは、以下の項目について説明します。

  • IIRフィルタの作成と活用の方法
  • IIRフィルタとFFTフィルタの違いを比較

ステップ

IIRフィルタの作成と活用

  1. 新しいワークシートを開き、EMG Recording.datファイルを\Samples\Signal Processing\からインポートします。
  2. 列Bを選択し、上部のメニューから解析:信号処理:IIRフィルタと選択してダイアログを表示します。
  3. レスポンスタイプをハイパスに設定し、手法はButterworthのままにします。そして、フィルタ順の最小のチェックを外して4と入力します。周波数仕様ブランチではカットオフ周波数(Fc)を20に設定します。そしてForward-Backward Filteringのチェックをつけます。ダイアログの設定は次の図のようになり、IIRフィルタが作成されます。
    Tutorial IIR 001.png
  4. OKをクリックして作成したIIRフィルタで入力データセットを処理します。
  5. 新しい列が元のデータセットに追加され、フィルタ後のデータとして表示されます。そして、新しいSOSMatrixワークシートが作成されます。

FFTフィルタと結果を比較する

  1. 元のワークシートで列Bを選択します。そして、解析:信号処理:FFTフィルタと選択してFFTフィルタを実行します。
  2. 開いたダイアログで、フィルタの種類でハイパスを選択し、カットオフ周波数を20に設定します。
    Tutorial IIR 002.png
  3. OKボタンをクリックします。EMGRecordingワークシートの列Cは先程作成したIIRフィルタでフィルタをかけた結果です。列Bと列Cを選択して、Button Line.pngボタンをクリックし、折れ線グラフを作成します(Graph1)。
  4. スケールインボタンButton Scale In.pngを使って12.5sから13.3sの範囲にズームインします。
  5. EMGRecordingワークシートの列EはFFTフィルタのフィルタ結果です。列Bと列Eを選択してボタンButton Line.pngを押す事で折れ線グラフを作図します(Graph2)。
  6. 再びスケールインボタンButton Scale In.pngを使って12.5sから13.3sの範囲にズームインします。この2つのグラフを使用して視覚的な比較を行えます。
    Tutorial IIR 003.png
  • 上記画像から分かる事は、FFTフィルタの結果には小さな波が多くありますが、IIRフィルタの結果にはほとんどありません。

FFTフィルタで出来る小さな波

  1. E列を選択してButton Line.pngボタンをクリックし、折れ線グラフを作図します(Graph3)。
  2. Graph3をアクティブにして、メニューからガジェット:FFTROIツールと選んでからXスケールを12.664から13.052までにするように設定します。
  3. OKをクリックしてプレビューウィンドウを開くと、小さな波の正体が20.125 Hzにあるサイン波である事が分かります。
    Tutorial IIR 004.png
  4. では、この20.125 Hzの波紋を取り除いてみましょう。そのためには25Hzのハイパスフィルタをもう一度行います。列Eを選択したまま、メニューから解析:信号処理:FFTフィルタと操作します。
  5. フィルタの種類からハイパスを選び、カットオフ周波数を25にします。
  6. 結果は列Gに表示されるので、列Gを選択して折れ線グラフを表示するためにButton Line.pngボタンをクリックします(Graph4)。
  7. Graph4をアクティブにし、メニューからガジェット:FFT ROIツールを選択してXスケールを12.664から13.052へ設定します。プレビューウィンドウにはそれでも小さな波が見られます。周波数が20.125 Hzから25.157 Hzに移動しただけです。
    Tutorial IIR 005.png
  • つまり、このデータセットにおける小さな波は、FFTフィルタでは取り除けない事を示しています。