FFT と IFFT

内容

  1. 1 サマリー
  2. 2 学習する項目
  3. 3 FFT ROIツール
  4. 4 FFT
  5. 5 IFFT

サマリー

FFT(高速フーリエ変換)は、時間領域の信号を周波数領域に変換します。IFFT(逆FFT)は周波数領域から時間領域に変換します。非周期な信号のFFTは、結果の周波数スペクトルの漏れが起こることがあります。Originは、漏れを軽減するためにいくつかの窓関数をサポートしています。

学習する項目

このチュートリアルで以下のことを行います:

  1. 異なる窓関数を使用してFFTを実行する
  2. スペクトルにより元の信号を修復する
  3. FFTガジェットを使用してFFTを実行する

FFT ROIツール

FFT ROIツールは、信号データのグラフ上に矩形を配置し、その中のデータにFFTを実行するために使用されます。このツールは、データのFFTによる効果を素早く観察するためにとても便利です。

以下では、1つのデータに対してFFT ROIツールを使用する方法を紹介します。

  1. 新しいワークブックを作成し、<Origin インストールディレクトリ>\Samples\Signal Processing\Chirp Signal.dat をインポートします。
    SP Tutorial FFT 1.png
  2. B列を選択し、メニューから作図:線図:折れ線を選択してグラフを作図します。
    SP Tutorial FFT 2.png
  3. グラフをアクティブにして、ガジェットメニューのFFT ROIツールを選択してダイアログを開きます。
    SP Tutorial FFT 3.png
  4. デフォルトのまま、OKボタンをクリックし、グラフに矩形(ROI)を配置します。
    SP Tutorial FFT 4.png
  5. 選択されたデータにするFFT結果をグラフ化した、FFTPREVIEWグラフが作成されます。
    SP Tutorial FFT 5.png
  6. 異なる部分を覆うために、データの矩形を左右に移動することが可能です。また、矩形の幅を変更して、カバーするデータポイント数を変えることもできます。ROIを移動したりサイズを変更すると、FFTPREVIEW は更新されます。

FFT

このサンプルでは、漏れを抑制するために窓関数の変更を行います。

  1. 上のセクションのFFT ROIツールで使用したデータと同じデータを使用します。
  2. B列を選択して、解析:信号処理:FFT:FFTを選択し、Signal Processing\FFT: fft1ダイアログを開きます。
  3. ダイアログの自動プレビューチェックボックスにチェックを付け、右パネルでプレビューできるようにします。ウィンドウ法Blackmanにし、その他の設定はデフォルトのままにします。右パネルで、振幅の鋭くて幅の狭いピークスペクトルがあることがわかります。Blackmanウィンドウは非常によく、漏れを抑制しています。
    SP Tutorial FFT 6.png
  4. OKボタンをクリックして、グラフとデータを含む結果を出力します。
    SP Tutorial FFT 7.png

IFFT

このサンプルでは、FFT結果から信号を復元する方法を示します。そのためには、FFTおよびIFFT双方の設定を同じにし、スペクトルタイプ両側、ウィンドウ法四角形にする必要があります。

  1. 上のFFT結果から始めます。緑の鍵のアイコンをクリックします。パラメータの変更を選択してダイアログを再度開きます。
    SP Tutorial FFT 8.png
  2. 上述したように、スペクトルタイプ両側、ウィンドウ法四角形に設定する必要があるので、これらを変更します。
    SP Tutorial FFT 9.png
  3. OKをクリックすると結果が変更されます。
  4. FFTResultData1を開きます。1列が複素数で、1列は実数、もう1列は虚数であることがわかります。ここでは、複素数データを使用します(実数と虚数データを使用することもできます)。この列を選択して、解析:信号処理:FFT:IFFTを選択し、Signal Processing\FFT: ifft1ダイアログを開きます。(もし、実数と虚数データ列を使用する場合、入力データとして実数データを選択し、虚数として虚数データ列を選択します。)ダイアログの自動プレビューチェックボックスにチェックを付け、右パネルでプレビューできるようにします。
    SP Tutorial FFT 10.png
  5. デフォルトの設定のまま、OK をクリックします。
  6. IFFTの結果(ワークシートIFFTResultData1)と元のデータを比べてみましょう。下図のように、2つのデータがほどんど同じであることがわかります。
    SP Tutorial FFT 11.png