積分

説明

NumericalIntegration.png

積分 ツールは、台形公式を使用してアクティブデータプロットに数値積分を実行します。数学的面積 (台形の代数的総計) または 絶対値面積 (絶対台形値の総計)を選択できます。欠損値がある場合無視されます。

1.1 積分ツールを使用する
  1. データを入力した、新しいワークシートを作成します。
  2. ワークブックにあるデータを選択します。
  3. その後メニューから、解析 数学: 積分を選び、integ1ダイアログボックスを開きます。

integ1 Xファンクションが呼び出されて計算を実行します。結果の面積、ピークの位置、ピーク幅、ピーク高さ(X軸からの最大の振れ) を結果ログに出力するオプションを利用できます。さらに、曲線の両端を結んだシンプルなベースラインを使用して積分を実行するか選んだり、積分曲線をプロットするか選択できます。

ダイアログオプション

結果ログの出力 面積、ピーク位置、ピーク幅、ピーク高さを結果ログに出力するかどうか選択します。
再計算

分析結果の再計算を制御します。

  • なし
  • 自動
  • 手動

詳細は、こちらを確認してください:分析結果の再計算

入力

積分する入力データを指定します。

範囲制御についてはこちらを確認してください:入力データを指定する

最終ポイントでの直線を基線に使用

最終ポイントを横切る直線を作成し、それを積分計算の基線として用いるかを指定します。

領域の種類

積分領域の種類を指定します。詳細については、以下のアルゴリズムのセクションをご覧下さい。

  • 数学的面積
    面積は台形の代数的総計で求められます。
  • 絶対値面積
    面積は絶対台形値の総計で求められます。
出力する値

積分結果 ボックス(下図)にチェックを入れて、出力する内容を指定します。

  • データセット識別子
    積分結果 ボックスにチェックが入っているときは、どのデータセット識別子を使うか選択します。
  • 開始の行番号
    開始行のインデックスを出力するかどうかを指定します。
  • 終了の行番号
    終了行のインデックスを出力するかどうかを指定します。
  • 開始X
    開始X値を出力するかどうかを指定します。
  • 終了X
    最終X値を出力するかどうかを指定します。
  • 最大高さ
    基線から計算する最大の高さを出力するかどうか指定します。
  • 最大高さでのX
    最大高さに対応する X値の出力を指定します。
  • 面積図
    積分面積を出力するかどうかを指定します。
  • FWHM
    FWHM、元の曲面の半分の高さでの幅、を出力するかどうかを指定します。

Note: X値の始まりと終わり及び積分面積は、出力する値、Xの開始Xの終了 及び 面積 が可能になっているかに関係なく、積分結果列のコメント行に出力されます。

積分曲線のデータ

累積結果の範囲を指定します。

積分結果

レポートシートに積分の結果を出力するかどうかを指定します。

積分曲線をプロット

積分曲線を作図するかどうか指定し、プロットする場合はどこにプロットするか指定します。

  • なし
    積分曲線をプロットしない。
  • 新しいグラフ
    新しいグラフに積分曲線をプロットします。
  • ソースグラフ
    ソースグラフに積分曲線をプロットします。このオプションは、グラフウィンドウがアクティブな時のみ利用できます。
ソースグラフの再スケール

積分曲線をプロットするときにソースグラフを再スケールするか指定します。このオプションは積分曲線をプロットソースグラフに指定されているときに使用できます。

アルゴリズム

数値積分の考え方として、近似関数による定積分を計算します。

\int _{a}^{b}f(x)dx

元のデータは離散しているので、2つの隣接する点を使って、近似する台形を作ります。

Integ.png

上図のように曲線を断片に分け、各台形の合計を計算し、以下によって積分を計算します。

\int _{x_1}^{x_n}f(x)dx \approx \sum _{i=1}^{n-1}( x_{i+1} -x_i) \frac{1}{2}[f(x_{i+1})+f(x_i)]
  • 数学的面積と絶対値面積の違い

基線が y=f(x_0 )\! であるとき、f(x)\! の数学的面積は以下のように計算できます。

\int _{x_1}^{x_n} \left[f \left( x \right)-f \left( x_0 \right) \right] \,dx \approx \sum _{i=1}^{n-1} \frac{1}{2} \left( x_{i+1} -x_i \right) \left[ \left( f \left( x_{i+1} \right) -f \left( x_0 \right) \right) + \left( f \left( x_i \right) -f \left( x_0 \right) \right) \right]

各台形面積絶対値の合計が計算された場合、絶対値面積となります。

\int _{x_1}^{x_n} | \left[f \left( x \right)-f \left( x_0 \right) \right] | \,dx \approx \sum _{i=1}^{n-1} \frac{1}{2} \left( x_{i+1} -x_i \right) | \left[ \left( f \left( x_{i+1} \right) -f \left( x_0 \right) \right) + \left( f \left( x_i \right) -f \left( x_0 \right) \right) \right] |

Integ22.png

上図のように、基線 y=f(x_0 )\! で曲線が5つの台形(もしくは三角形)に分割されています。各台形(もしくは三角形)の面積は以下によって計算されます。

A_i = \frac{1}{2} \left( x_{i+1} -x_i \right) \left[ \left( f \left( x_{i+1} \right) -f \left( x_0 \right) \right) + \left( f \left( x_i \right) -f \left( x_0 \right) \right) \right]

式から、ベースラインより上の A_1:A_2:A_3: は正ですが、ベースラインより下のA_4:A_5:は負となります。

従って、この曲線の数学的面積は、A_1+A_2+A_3+A_4+A_5\! で表され、絶対値面積は、|A_1|+|A_2|+|A_3|+|A_4|+|A_5|=A_1+A_2+A_3-A_4-A_5\! で表されます。