Excel と Origin の関数比較


セル値の設定で使用できるOriginの関数と、一般的なExcel関数の比較表です。

データ参照

Excelと同様、Originもドラッグ&ドロップによる行や列をまたがった式の拡張が可能です。また、相対参照と絶対参照の2種類を導入しています。相対参照は、セル式を他の行または列にドラッグアンドドロップして拡張すると内容が変更されます。一方、絶対参照は一定のままです。

Notes: セル式を他のセルにコピーすると、Excelでは列と行の参照が相対的に調整されます。子の場合、Originでは調整されません。
データ相対参照
説明 Originセル表記法 Excel表記法
列Aの第1行を参照 A1 A1
列A全体
A A:A
複数列 複数列を指定する場合は範囲表記でなければなりません。(例…A1:C5) A:C
セルの範囲 A1:C5 A1:C5
同じブックの最初のシートのA1を参照 1!A1

Sheet1!A1

Sheet1!A1
他のブックBook1の最初のシートのA1を参照 [Book1]1!A1

[Book1]Sheet1!A1

[Book1]Sheet1!A1
データ絶対参照
説明 Originセル表記法 Excel表記法
列Aの第1行を参照 $A$1 $A$1
列A全体 A $A:$A
セルの範囲 Originは列間の範囲の絶対参照をサポートしていません $A$1:$C$5
同じブックの最初のシートのA1を参照 $A$1

Sheet1!$A$1

Sheet1!$A$1
他のブックBook1の最初のシートのA1を参照 Book1!$A$1

[Book1]Sheet1!$A$1

[Book1]Sheet1!$A$1


テキストデータ参照
Originセル表記法 Excel表記法
テキストまたは返されたテキスト値を持つセルへの参照は後ろに、$ 記号をつけます

サンプル:

A1$
left(A1$, 2)$
テキストまたは数値セルへの参照は同じ方法で行われます。

サンプル:

A1
left(A1, 2)

$ は、大きく分けて2つの方法でOriginの式中で使用されます。$ が列または行の参照の前にある場合、絶対列または行の参照を作成するように機能します。$ が列または行の参照に追加された場合、文字列変数に保存されている値を返すように機能します。

よく使用される関数

説明 Originセル表記法 Excel表記法
セルの値を合計 total(A1:A3) 1 sum(A1:A3)
列AからC、DからG、およびFの値の行ごとの合計を返します。 sum(A:C, D:G, F) =SUM(A1:C1, D1:G1, F1)
条件が真であれば1つの値を返し、偽であれば別の値を返す (A1<=98.6)?(A1-98.6):Na()1 if(A1<98.6, A1-98.6, NA())
列B行1、列C行1の文字列を連結 B1$ + C1$ B1 & C1

concatenate(B1, C1)

A列とB列の文字列を繋げる A$ + B$ A1 & B1または、concatenate(A1, B1)の後、セルをアウトプット列全体にドラッグしてオートフィルさせます。
列Aの2を検索し、同じ行にある列Bの値を返す lookup(2, A, B)$1 lookup(2,A:A,B:B )
列BのE1の値を検索し、同じ行にある列Dの値を返す lookup(E1, B, D)1 vlookup(E1, B:D, 3)
列Aで3.5を検索し、その位置を返す index(3.5, A)1 match(3.5,A:A )
指定された書式の日時文字列をとり、ユリウス日の値を返す date("1/1/2008")1 datevalue("1/1/2008")
終了日(11/3/15)と開始日(11/2/1)の間の日数を検索 date("3/15/11")-date("2/1/11") days("3/15/11","2/1/11")
2番目のテキスト文字列内で1つのテキスト文字列を検索し、開始位置を返す find(B10, "M")1 find("M", B10)
指定された行と列の値を検索 wcol(2)[4] index(A:D, 4, 2)

日付と時間

異なる関数
説明 Originセル表記法 Excel表記法
列A、B、Cの日、月、年の値をとり、対応する日付文字列を返す date2str(date(A,B,C),"dd/MM/yyyy")$1, 2 date(A:A,B:B,C:C)
指定された形式の日付/時間文字列を取り、Excelで認識される日付シリアル番号を返す(これはOriginのユリウス日の値から2415018を引いたものです) date("1/1/2008")-24150181 datevalue("1/1/2008")
列A行1の日付を取り、サポートされているテキスト形式で表し、曜日を返す day(date("2/18/2012 13:15:12"))1, 2 day("7/18/2011 13:15:12")
2つの日付の間の曜日番号を返す date("7/18/2012")-date("3/15/2011")1 days("2/1/12","3/15/11")
日時文字列の時間値を返す hour(date("7/18/2011 13:15:12"))1 hour("7/18/2011 13:15:12")
日時文字列の分値を返す minute(date("7/18/2011 13:15:12"))1 minute("7/18/2011 13:15:12")
日時文字列の月値を返す month(date("7/18/2011 13:15:12"))1 month("7/18/2011 13:15:12")
指定された形式の現在の日時文字列を返す date2str(now(),"MM/dd/yyyy HH:mm:ss")$1, 2 now()
現在の時刻の2番目の値を返す second(date("7/18/2011 13:15:12"))1 second("7/18/2011 13:15:12")
与えられた時間のユリウス日の値を(HH:mm:ss)形式で返す time("13:15:12")1 timevalue("13:15:12")
指定したフォーマットの現在の日付文字列を返す date2str(today(),"MM/dd/yyyy")$1, 2 today()


同じ表記法
説明 Origin & Excel 表記法
指定された時間のユリウス日の値を(HH,mm,ss)形式で返す time(13,15,12)

工学

異なる関数
説明 Originセル表記法 Excel表記法
2進数の10進数をとり、16進数に変換 dec2hex(Bin2dec(A1))$1 bin2hex(11111011)
10進数を2進数に変換 dec2bin(-100)$1 dec2bin(-100)
10進数を16進数に変換 dec2hex(-100)$1 dec2hex(-100)
16進数を2進数に変換する dec2bin(hex2dec(B7))$1, 2 hex2bin(B7)
10進数の値を16進数の値で返す hex(A2) 1 hex2dec(A2)


同じ表記法
説明 Origin & Excel 表記法
2進数の10進数の値を返す bin2Dec(A1)1
ある測定システムから別の測定システムに数値を変換 convert(1,"yd","m")1

情報

異なる関数
説明 Originセル表記法 Excel表記法
セルA1の値が数値かどうかを確認 istext(A1)=>01 cell("type", A1)=>"v"
セルが空かどうか確認 isempty(A1) 1 isblank(A1)
入力がテキストであるかどうかを判定し、結果に応じて指定された値を返す istext(A1)?0:11 isnumber(A1)


同じ表記法
説明 Origin & Excel 表記法
欠損値は1を返し、それ以外の場合は0を返す isna(A1)1
入力がテキストかどうかを判定 istext(A1)1

論理

異なる関数
説明 Originセル表記法 Excel表記法
すべての条件が真である場合に1を返す A1>1 && A2>2 and(A1>1 , A2>2)
条件式に従って指定された値を返す A1>0?1:-1 if(A1>0,1,-1)
入力番号が欠損値またはNANUMの場合は、指定された値を返す isna(sqrt(-4))?-1:0 iferror(SQRT(-4),-1)
条件のどれかが真であれば1を返す A1>1 || A2>2 or(A1>1 , A2>2)
論理真値
Note: Originでは、0以外の値はすべて真と見なされます。
1 TRUE
論理偽値 0 FALSE
入力の排他的論理和を返す ((3<4) + (4<5)) - int( ((3<4)+(4<5) )/2)*2 ==>0 xor(3<4,4<5) ==> FALSE


同じ表記法
説明 Origin & Excel 表記法
エラー値を返す NA()

検索と参照

説明 Originセル表記法 Excel表記法
指定された列参照の列番号を返す colnum(col(B))1 column(B1)
列Aの2を検索し、同じ行にある列Bの値を返す
Note: Originでは、戻り値の型に応じて、lookup()$またはlookup()を使用します。
lookup(2, A, B)$1 lookup(2,A:A,B:B )
範囲内にある値のインデックスを返す list(25,col(A)[1:3])1

index(25, A1:A3)1

match(25,A1:A3,0)=2
現在の行番号を返す i1 row()
ハイパーリンクを含むラベルを挿入 http://www.originlab.com [Origin]1 hyperlink("http://www.originlab.com","Origin")

数学と三角法

異なる関数
説明 Originセル表記法 Excel表記法
アイテムの与えられた数の組み合わせの数を返す combine(4+3-1,4-1)1 combina(4,3)
値の切り捨て整数を返す
注意!: ExcelのINT関数は切り捨てられますが、Originは整数部分を取ります。例えば、Originでは int(-1.23)=-1 ですが、Excelでは INT(-1.23)=-2です。
int(1.23)=1
int(-1.23)=-1
1
int(1.23)=1
int(-1.23)=-2
指定された数を底とする数値の対数を返す log(8)/log(2)1 log(8, 2)
10を底とする数値の対数を返す log(2)1 log10(2)
数値のべき乗を返す 3^2 power(3,2)
除算の商の整数部を返す int(5/2)1 quotient(5, 2)
指定されたデータセットの合計を返す total(A1:A5)1 sum(A1:A5)
同じ表記法
説明 Origin & Excel 表記法
データの絶対値を返す abs(-1)1
対応する三角関数の逆関数を返す acos(0)1
数値の逆双曲線余接を返す acoth(6)1
値のコタンジェントの逆関数を返す acot(2)1
数値のアークサイン (逆正弦) を返す asin(0.5)1
数値の逆双曲線正弦を返す ASINH(10)1
数値のアークタンジェント (逆正接) を返す atan(1)1
正のX軸と座標(x, y)で与えられるポイント間の角度を返す atan2(2,2)1
その数の逆双曲線正接を返す atanh(0.76159416)1
与えられた集合からn個の要素を持つk-組の数を返す combine(8,2)1
値の余弦の値を返す cos(pi/3)1
値の余接(コタンジェント)を返す cot(pi/6)1
ラジアンを度に変換します。 degrees(pi)1
値の指数値を返す exp(1)1
負でない整数の階乗を返す fact(5.5)1
値の自然対数を返す ln(10)1
数値を除数で割ったときの剰余を返す mod(13,2)1
piの値を返す 円周率:pi
度をラジアンに変換 radians(180)1
一様分布で与えられる0から1の間の値を返します。 rnd()1
指定した桁数に丸める round(-1.99,0)1
与えられた値の三角正割を返す secant(pi/3)1
与えられた値の双曲線正割を返す sech(1)1
実数の符号を返す sign(2)=1
sign(0)=0
sign(-2)=-1
1
与えられた値の正弦の値を返す sin(pi/4)1
値の双曲線正弦を返す sinh(5)1
与えられた値の平方根を返す sqrt(2)1
与えられた値の正接の値を返す tan(pi/4)1
与えられた値の双曲線正接を返す tanh(0.5)1

統計

異なる関数
説明 Originセル表記法 Excel表記法
未補正の二乗和を返す rms(A)^21count(A)1 sumsq(A:A)
指定した条件を満たす値の平均を計算 averageif(A, "col(A) > 5")1 averageif(A:A, "> 5")
指定した条件を満たす値の平均を計算 averageif(A, "col(A) > 5 && col(B) < 10")1 averageifs(A:A,A:A, ">5",B:B, "< 10")
ベータ分布を返す betacdf(1, 2, 2)1 beta.dist(1,2,2,TRUE)
指定したベータ分布の逆累積分布関数を返す betainv(0.8975362,8,10)1 beta.inv(0.8975362,8,10)
カイ2乗分布を返す chi2cdf(0.5,1)1 chisq.dist(0.5,1,TRUE)
カイ二乗分布の左側の確率の逆数を返す chi2inv(0.93,1)1 chisq.inv(0.93,1)
ベクトルの要素の数、ベクトルのサイズを返す
Note: Excelは欠損値を除外しますが、Originは除外しません。
count(A)1 count(A:A)
条件を満たす値の数を返す countif(A,"col(A)>1")1 countif(A:A,">1")
指定された複数の条件を満たす値の数を数える countif(A,"col(A)>1&&col(A)>4")1 countifs(A:A,">1",A:A,">4")
2つのデータセット間の共分散を返す cov(A, B)1 covariance.s(A:A,B:B)
F確率分布の逆数を返す finv(A2, A3, A4)1 f.inv(A2,A3,A4)
xの対数正規分布を返す logncdf(4,3.5,1.2)1 lognorm.dist(4,3.5,1.2,TRUE)
xの対数正規分布関数の逆数を返す logninv(0.039084,3.5,1.2)1 lognorm.inv(A2, A3, A4)
正規分布の累積分布関数の逆関数の確率値を返す norminv(0.9)=1.28155156554461 NORMINV(0.9,0,1)=1.281551566
2つのデータセットの相関係数の二乗を返す correl(A,B)^21 rsq(A:A,B:B )
指定されたウィンドウ幅で各ポイントの移動勾配を返す movslope(A,B)1 slope(B:B,A:A)
スチューデントのt分布の左側の逆数を返す tinv(0.75,2)1 t.inv(0.75,2)
標準正規累積分布でない0.5を返す prob(2)/21 gauss(2)
同じ表記法
説明 Origin & Excel 表記法
範囲の平均を返す mean(A1:A6)1
2.5 (1.329)のガンマ関数値を返す gamma(2.5)1
ガンマ関数 Γ(x)の自然対数を返す gammaln(4)1
データセットの尖度を返す kurt(A)1
一連の値から最大値を返す max(A1: C8)1
引数リストの最小値を返す min(A1:C8)1
分布の歪度を返す skew(A1:A4)1

テキスト

説明 Originセル表記法 Excel表記法
文字列を1つに接続し、結果の文字列を返す B1$ + C1$ concatenate(B1,C1)
テキスト値から左端の文字を返す left(A1$, 2)$1 left(A1,2)
文字列の文字数を返す len(A1$) or len(A1)1 len(A1)
小文字に変換された文字列を返す lower(A1$)$1 lower(A1)
開始文字と文字数を指定して、抽出された文字を返す mid(A1$, 2, 3)$1 mid(A1,2,3)
テキスト値の各単語の最初の文字を大文字にする upper(left(A1$,1)$)$+lower(right(A1$,2)$)$1 proper(A1)
テキスト値から左端の文字を返す right(A1$, 2)$1 right(A1,2)
文字列の位置を返し、見つからなかった場合は1を返す search(A1$, "margin")1 search("margin",A1)
大文字に変換された文字列を返す upper(A1$)$1 upper(A1)
同じ表記法
説明 Origin & Excel 表記法
文字列を数値に変換します。10進数および数値のグループセパレータを指定するオプションは、OSの地域設定を上書きすることを許可します。 NumberValue(string [, string Decimal, string Group])1

その他

説明 Originセル表記法 Excel表記法
変数に値を割り当て、その値を式で使用します LET(t,if(A$==B$,1,0),t*500) LET(t,IF(A1=B1,1,0),t*500)