Origin Cとコードビルダの紹介

内容

  1. 1 サマリー
  2. 2 What you will learn
  3. 3 ステップ
    1. 3.1 Origin C関数を作成
    2. 3.2 関数のデバッグと実行
    3. 3.3 カスタムルーチンボタンを使用して関数を実行

サマリー

Origin Cは、ほぼ完全にANCI準拠のC言語の構文をサポートしており、内部クラスとDLL拡張クラスを含むC++のサブセットもサポートしています。さらに、Origin Cは、Originを認識しています。これは、ワークシートやグラフなどのOriginオブジェクトがOrigin Cにマッピングされているということです。これによりOrigin CでOriginのオブジェクトやプロパティを直接操作できます。

Origin Cの統合開発環境 (IDE)をコードビルダといいます。コードビルダは、Origin Cのプログラムを記述したり、コンパイルしたり、デバッグするための標準ツールを提供します。Origin C関数をコンパイルすれば、その関数をOriginやコードビルダワークスペースのさまざまな場所から呼び出すことができます。

コードビルダを開くには、Originの標準ツールバーの Button Code Builder.png ボタンをクリックするか、キーボードのALT+4キーを押します。

必要なOriginのバージョン:Origin 9以降

学習する項目

このチュートリアルでは、以下の項目について説明します。

  • Origin C関数を作成する
  • 関数をデバッグし実行する
  • カスタムルーチンボタンを使用して関数を実行する

ステップ

Origin C関数を作成する

  1. コードビルダを開き、新しいワークスペースを作成します(メニューのファイル:新規ワークスペース)。コードビルダの標準ツールバーで新規ボタン Button New.png をクリックして新規ファイルダイアログを開きます。
  2. .cファイルを作成するために、C Fileを選択します。ファイル名テキストボックスにTutorialと入力します。場所テキストボックスで、User File Folder/OriginCサブフォルダを選択します。ワークスペースに追加チェックが付いていることを確認してください。OKをクリックします。Tutorial.cというファイルがコードビルダワークスペースに開きます。
    Introduction to Origin C and Code Builde 1.png
  1. // start your functions hereという行の下に次のように入力します。
    void new_wks()
    {
            Worksheet wks;
            wks.Create("Origin"); // create a Worksheet window with template - Origin
     
            vector& vecX = wks.Columns(0).GetDataObject();
            vector& vecY = wks.Columns(1).GetDataObject();
     
            vecX.Data(1, 10, 1);
            vecY.Data(0.1, 1, 0.1);
     
            vector<string> vsLongName = 
            {
                    "Index",
                    "Data"
            };
     
            for (int nCol = 0; nCol < wks.GetNumCols(); ++nCol)
            {
                    Column col (wks, nCol);
                    col.SetLongName(vsLongName[nCol]);
            }
    }

    このnew_wks関数は、Originテンプレートを使用したワークシートを作成します。増分1の1から10までのデータを1列目に入力し、増分0.1の0.1から1までのデータを1列目に入力します。これら2列のロングネームをIndexDataとします。

  2. 保存ボタンButton Save.pngをクリックします。

ミニチュートリアル:GetDataObjectとマークされた行に素早く移動するブックマークの使用サンプル

  1. 33行目をクリックして、ブックマークの挿入ボタンButton Toggle Bookmark.png をクリックします。
  2. 37行目の、GetDataObject() を選択し、ファイルから検索ボタンButton Find In Files.png をクリックします。
  3. ファイルから検索ダイアログで、対象ファイル/ファイルタイプ*.c;*.cppにし、対象フォルダを<program folder>\OriginCに設定します。全てのチェックボックスのチェックを付け、検索ボタンをクリックします。
  4. 結果を表示ウィンドウで、GetDataObject()を含む行をダブルクリックします。すると、この文字列を含むファイルが開き、関連する項目にジャンプします。
  5. 操作1でマークした行にもどるには、ブックマークウィンドウをアクティブにします。操作1で追加したブックマークをダブルクリックすると、Tutorial.cファイルの33行目に移動します。
Origin2015では、いくつかの便利なツールが使用できます。
  • クイックオープンファイル
    SHIFT + ALT + Oキーを押すか、ツール:クイックオープンファイルを選択してクイックオープンファイルダイアログを開きます。
  • .h と .c/.cpp ファイルをスイッチ
    キーボードのCTRL + ALT + O キーを押して関連するヘッダファイル(.hファイル)を開きます。
  • シンボルを検索
    SHIFT + ALT + Oキーを押すか、ツール:シンボルを表示 を選択してシンボルを検索 ダイアログを開きます。

関数をデバッグし実行する

  1. コードビルダの標準ツールバーで、ビルドボタンButton Build.png をクリックします。これにより、new_wks関数がコンパイルされ、リンクが実行されます(Tutorial.c ファイルがアクティブであることを確認してください)。
    Debug Code Builder Output.png
  2. 34、35、37、50行の前の灰色の領域をクリックすると、赤い丸のアイコンが追加され、対応する行にブレークポイントが追加されたことを示します。すべてのブレークポイントの情報は、ブレークポイントウィンドウにリストされます。
  3. ブレークポイントウィンドウで、tutorial.c, line 35のチェックを外し、このブレークポイントを無効にします。この操作により35行目のブレークポイントアイコンは、白抜きの表示になります。

ブレークポイントを削除するには、対応する行についているブレークポイントアイコンをクリックします。または、ブレークポイントウィンドウで右クリックし、ブレークポイントを削除を選択します。

  1. 37行のブレークポイント上で右クリックし、ヒットした時...を選択してダイアログを開きます。メッセージを表示にチェックを付けます。メッセージを表示の下にあるテキストボックスに、test code run to here. と入力します。.OKボタンをクリックして終了します。この操作により、ブレークポイントがひし形になりました。
    Code Builder When Hit.png
  • 50行のブレークポイント上で右クリックし、条件...を選択してダイアログを開きます。条件を有効にし、テキストボックスに、nCol==1 と入力します。OKをクリックします。
Code Builder Condition.png
  • このコードを実行するには、LabTalkコンソールウィンドウの上パネルに関数名new_wksを入力します。
  • ENTERキーを押します。最初のブレークポイントアイコンに黄色い矢印が表示され、コードのうちどの行まで実行されたか示します。
  • F8を押し、コードのデバッグを続けます。50行目に矢印のアイコンが移動します。
  • コマンド・結果ウィンドウの下部パネルに、37のブレークポイントに追加したメッセージが表示されます。
Code Builder Print Msg.png
  • 変数ウィンドウを開きます。1列目に変数名がリストされ、2列目にそれらの値がリストされます。nColの値を確認します。
Code Builder nCol.png
  • 黄色の矢印アイコンが表示されなくなるまで、F5キーを押し続けます。
  • Originワークスペースに戻ります。ワークブックが以下の画像のように作成されます。
Code Builder New Wks.png

カスタムルーチンボタンを使用して関数を実行する

  1. CTRL + SHIFTキーを押しながら、カスタムルーチンボタン Button Custom Routine.png をクリックします。これにより、コードビルダにCustom.ogsファイルが開きます。
  2. 11行目にカーソルを合わせ、コメントボタンButton Comment.pngをクリックし、11行目をコメントアウトします。
  1. 12行目と13行目に以下のコードを入力します。
    Run.LoadOC(%YOriginC\Tutorial.c); // %Y はユーザファイルフォルダ
     new_wks();
            

    このコードにより、前のセクションで追加したTutorial.cファイルがロードされ、new_wks() 関数を実行します。

  2. 保存ボタンButton Save.pngをクリックします。
  3. Originワークスペースに戻ります。カスタムルーチンボタンButton Custom Routine.pngをクリックします。前のセクションのように、データが入力されたワークシートが作成されます。
    Code Builder Cus Routine Result.png