Origin2016からRコンソールとRserveコンソールツールが追加されました。これらを使って、RからOriginにデータを簡単に転送でき、Originの優れたグラフ作成機能を利用することが出来ます。また、Rコンソールダイアログとコマンドを使って、様々な範囲の統計機能やパッケージにRからアクセスして、Originで作成したデータを分析することが出来ます。 統計データの分析シミュレーション向けに、Rコンソールの自由なアプリケーションを表示出来る視覚化サンプルをいくつか提供しています。
これらのサンプルを実行するために、コンピュータにRをインストールして、bootとGenSA というRパッケージをダウンロードします。Rのメインウィンドウを開き(OriginのRコンソールではありません)、次のスクリプトを実行してダウンロードしてください。
install.packages("boot") install.packages("GenSA") library(boot) library(GenSA)
Rパッケージのbootでは、bootstrapの容易な生成と統計分析の実行が行えます。このサンプルでは、このパッケージでのbootstrapを使って、相関係数をRコンソールで計算します。
library(boot) f <- function(d, i){ d2 <- d[i,] return(cor(d2$Age, d2$Salary)) } bootcorr <- boot(data, f, R=500) summary(bootcorr)
5. 計算結果は、Rオブジェクトbootcorrに保存され、bootstrapそれぞれの相関はbootcorr$tに保存されます。次に新しいワークブックを作成し、 をクリックして、R オブジェクトbootcorr$tをA列にベクトルで入力します。A列に結果の500行の結果データが入力されます。
6. A列をクリックして、作図:統計:ヒストグラムを選択し、ヒストグラムを作成します。次に、分布曲線の作図を行い色を編集すると、下図のグラフが得られます。
Rでは、ランダムサンプルと行列操作の効率的な機能があります。ここでは、Rでランダムウォークデータを生成し、Originの色付き折れ線でルートを示したランダムウォークの例を実演します。
step <- 2000 walk <- matrix(0, ncol = 3, nrow=step) index <- cbind(seq(step), sample(c(1, 2), step, TRUE)) walk [index] <- sample(c(-1, 1), step, TRUE) walk [,1] <- cumsum(walk[, 1]) walk [,2] <- cumsum(walk[, 2]) walk [,3] <-seq(step)
Enterを押してスクリプトを実行します。
3. [Book1]Sheet1!A:CにRオブジェクトを行列として送ります。
4. Book1のsheet1にある列Bを選択して折れ線を作成します。列Cのデータは線の色を制御に使い、カラースケールと色調を編集します。
サンプルを実行する前に、 GenSAパッケージをインストールします。
アニーリングシミュレーションは、非線形曲線で発生する問題のグロ―バルな最小値を見つける方法です。ここでは、RでGenSAパッケージを使って、テスト関数でのアニーリングシミュレーションを実行し、範囲内のZ最小値を検索します。
Rで計算した後、結果データをOriginに送り、等高線を作成して結果を可視化します。また、それぞれの移動ステップで折れ線を作成し、取得される最小値を検出します。
1. メインメニューから接続:Rコンソールを選択し、スクリプトボックスに次のスクリプトを入力して、Enterを押して実行します。
fr <- function(vx){ x <- vx[1] y <- vx[2] 0.26*(x^2+y^2)-0.48*x*y} set.seed(25) dimension <-2 global.min <- 0 tol <- 1e-13 lower <- c(-10,-10) upper <- c(10,10) out <- GenSA(lower = lower, upper = upper, fn = fr, control=list(temperature=200,threshold.stop=global.min+tol,verbose=TRUE,max.call=1E3)) #output the results sprintf("Global minima for the function is: %.3f at (%.3f, %.3f)", out$value, out$par[1],out$par[2])
結果の出力は:
[1] 「この関数でのグローバル最小値: 0.000 at (0.000, 0.000)"
最小ポイントと一緒に等高線を作成するには:
2. 標準ツールバーの3D関数グラフ ボタンをクリックし、次のグラフの様に関数を設定します:
3. OKをクリックして、3D曲面図を作成します。作図の詳細 カラーマップ タブでカラーマップを指定することが出来ます。.
4. 新規のワークブックを作成し、列を3つ作って、それぞれの列属性をXYZにします。最初の行に(0,0,0) を入力して、作成した3Dグラフに列を選択してドラッグでグラフに挿入します。1つの散布図ポイントがグラフに追加されますので、作図の詳細 ラベルタブで、散布図にラベルテキストを追加編集します。
完成したグラフは次のようになります。
このサンプルでは、看護グループでの労働費について、多変量解析を実行してみます。 2つの予測値:所有権と認可、3つの従属変数:看護労働費、ハウスキーピング労働費、メンテナンス費用があります。異なる所有権と認可では労働費も異なるのかどうかを知るために、RコンソールのデータでMANOVAを実行します。
Cost<-data.matrix(CostData[,3:5]) Ownership<-CostData[,1] Certification<-CostData[,2] fit <- manova(Cost ~ Ownership*Certification) summary(fit, test="Pillai")
データフレームに入れる結果を入れ替えることが出来ます。dfをOriginのワークシートにデータフレームとして渡します。
sum<-summary(fit, test="Pillai") df<-as.data.frame(sum$stats)
所有権のP値が0.01よりも小さいので労働費の平均に影響する所有権はないと考えられます。 しかし、認定のP値が0.089なので結果がほぼ有意であることを示し、3タイプの認定での労働費の平均はそれぞれ異なる可能性があります。