スクリプトからXファンクションを呼び出す

ほとんどの組み込みXファンクションはデフォルトでLabTalkから呼び出すことができます。つまり、コマンドウィンドウスクリプトウィンドウ、ツールバーボタン、ワークシートに埋め込まれたスクリプト、ボタンに埋め込まれたスクリプトなど、LabTalkスクリプトを実行できるところならどこでもXファンクションを呼び出すことができます。

目次

Xファンクションを呼び出すシンタックス

各Xファンクションには、int、double、string、range、さらにはtreeなど、さまざまなデータ型の独自の入力変数と出力変数のセットがあります。
<xfunction> -<option1> option1value -<option2> option2value var1:=value1 var2:=value2 ....


ここでは、Xファンクションsmoothを使用してXファンクションを呼び出す方法を紹介します。

smooth -h

smooth -help

smooth m:=1

smooth method:=1

smooth method:=1

smooth method:=sg

smooth -r 1 method:=1 npts:=5

smooth method:=1 -r 1 npts:=5

smooth //アクティブプロットまたは選択されたデータに対して、デフォルトのスムージング設定でスムージングを実行

smooth m:=2 //アクティブプロットまたは選択されたデータを方式2でスムージング

smooth npt:=7 //アクティブプロットをデフォルトの方式1でスムージング、ただしウィンドウのポイント数は7とする

smooth //アクティブプロットまたは選択されたデータに対して、デフォルトのスムージング設定でスムージングを実行

smooth (1,2) method:=2 //iy:= をスキップした表記。smooth iy:=(1,2) method:=2 と同様

smooth //アクティブプロットまたは選択されたデータに対して、デフォルトのスムージング設定でスムージングを実行

smooth method:=2 -d //方式が方式2に設定されたスムージングダイアログを開く

smooth -db //デフォルト設定のスムージングダイアログを開き、アクティブウィンドウの左側にドッキング

smooth -u // Xファンクションで「元に戻す」を有効にする。Ctrl + Z キー、または編集メニューの元に戻すボタンを使用

ファイルメタデータを入力として使用する

Xファンクションでファイルのメタデータを参照できます。スクリプトウィンドウ(ウィンドウ:スクリプトウィンドウ)を開き、次のように入力します。 page.info.= これにより、Xファンクションの実行時に使用できるユーザー変数を含む、ファイルメタデータのリストがダンプされます。

rnormalize -r 2 method:=specify val:=page.info.USER.VARIABLES.NOOFPOINTS; // Xファンクションrnormalizeを実行し、選択した列内の値を page.info.USER.VARIABLES.NOOFPOINTS の値で分割する

スクリプトウィンドウに変数をダンプする代わりに、ファイルをインポートしたワークシート列の右側の灰色の部分で右クリックしてオーガナイザを表示することも可能です。page.infoを展開して、ノード上で右クリックしノードパスをコピーするを選択します。

実行後の入出力変数値へのアクセス

Xファンクションが呼び出された後、入力または出力に関係なく、変数値にアクセスできます。一部のXファンクション出力は、ツリー変数に入れてからアクセスする必要があります。ここでは、いくつかの簡単な例のみを示します。

smooth //アクティブプロットまたは選択されたデータに対して、デフォルトのスムージング設定でスムージングを実行

smooth.method= //方式の番号を与える

smooth //アクティブプロットまたは選択されたデータに対して、デフォルトのスムージング設定でスムージングを実行

stats.min= //計算された平均値を与える


レポートツリーにアクセスするには、例えばANOVAの場合、XファンクションGetresultsを使用します。

既存の操作の構成ツリーを取得するには、Xファンクション Op_changeを使用します。

コマンドウィンドウでの簡単な実行方法

コマンドウィンドウ(ウィンドウ:コマンドウィンドウ)を使用して、Xファンクションを呼び出す方法を簡単に学ぶことができます。コマンドウィンドウではXファンクション名、オプション、変数を自動入力できます。 次をお試しください。

  1. ワークシートで、最初の列に行番号を入力し、2番目の列に乱数を入力します。2番目の列を選択します。
  2. ウィンドウ:コマンドウィンドウを選択してコマンドウィンドウを開きます。
  3. sを入力すると、名前がsから始まるXファンクションのリストが表示されます。
    Cm1.png
  4. Downキーを押してsmoothまで移動し、Enterキーを押して選択します。マウスでsmoothをダブルクリックして選択することもできます。
  5. コマンドラインに smooth が表示されます。Spaceキーを押します。smoothの変数が表示されます。
    Cm2.png
  6. Downキーを押してmethod:=1まで移動し、Enterキーを押して選択します。
  7. 利用可能な方式が表示されます。
    Cm3.png
  8. Downキーを押してpf=2 Percentile Filterまで移動し、Enterキーを押して選択します。
  9. Spaceキーを押した後に-キーを押します。オプションが表示されます。すべてのオプションが表示されます。
    Cm4.png
  10. Downキーを押してrecalculateまで移動し、Enterキーを押して選択します。
  11. Spaceキーをのあとに1を押して、再計算オプションを1にします。これにより、入力データに変更があると自動再計算されます。
  12. Enterキーを押して実行します。3列目にスムージング結果が表示されます。
    Cm5.png
  13. コマンドウィンドウでsmooth.=と入力し、Enterキーを押すと、実行されたXファンクションで指定されたすべての変数値が表示されます。
    Cm6.png
  14. smooth.method= を実行すると方式の値が得られます。
  1. およびのキーを使用して、 現在のセッションで入力した前のコマンドを前後にスクロールできます。
  2. コマンドウィンドウの左パネルには、現在のセッションで実行されたすべてのコマンドをが表示されます。そこにカーソルを置いてEnterキーを押すと、そのコマンドラインが再度実行されます。

Xファンクション設定をダイアログテーマファイルとして保存し、それを呼び出す

Xファンクションの変数設定はテーマファイルに保存できます。Xファンクションを呼び出し、-themeまたは-tオプションを使用して、テーマファイルに保存された設定を使用できます。

例:

  1. スクリプトウィンドウで smooth -d を実行、またはメニューの解析:信号処理:スムージングを選択してsmoothダイアログを開きます。
  2. いくつかの設定を変更します。例)方式と再計算モード
  3. ダイアログ上部のダイアログテーマの隣の > ボタンを押して名前を付けて保存...を選択します。mythemeのような名前を付けます。
  4. ファイルは次の場所に保存されます。 <ユーザファイルフォルダ>\Themes\AnalysisAndReportTable\(ファイル名の例: 0-smooth-mytheme.ois)Originはいくつかの接頭辞を追加するため、ユーザはそれがスムージングのXファンクションであることが分かります。
  5. スクリプトウィンドウで次を実行して、アクティブなデータに対してmythemeテーマでスムージングをかけます。

smooth //アクティブプロットまたは選択されたデータに対して、デフォルトのスムージング設定でスムージングを実行

2. smooth -t mytheme -d; // mythemeがロードされたスムージングダイアログを開く

Xファンクションダイアログからスクリプトを生成

一部のXファンクションでは、コンテキストメニューにスクリプトの生成オプションがあり、Xファンクションスクリプトの基礎となるコードが表示されます。

  1. スクリプトウィンドウで smooth -d を実行、またはメニューの解析:信号処理:スムージングを選択してsmoothダイアログを開きます。
  2. いくつかの設定を変更します。例)方式と再計算モード
  3. ダイアログ上部のダイアログ・テーマの隣の > ボタンを押してスクリプトの生成を選択します。
    Smooth GS.png
  4. スクリプトがスクリプトウィンドウにダンプされます。
smooth -r 1 method:=fft;

Note: ダイアログテーマボックスと、対応するスクリプトの生成フライアウトメニューは、-d オプションで開く全てのXファンクションダイアログで利用可能ではありません。例えば、rnormalize -dでは利用できますが、fitpoly -dでは利用できません。

スクリプトの生成機能を使用して表示される情報の量は、システム変数 @GASによって制御できます。デフォルトでは@GAS=0ですが、この値は環境設定メニューのシステム変数で変更できます。

XファンクションをLabTalkで呼び出せないようにする

最初に述べたように、ほとんどのX関数はLabTalkで呼び出すことができます。呼び出しを禁止するには、

  1. メニューからツール:Xファンクション・ビルダを選択します。
  2. ファイルメニューからXファンクションを開きます。
  3. ツール:ツリービューメニュー(またはツリービューボタン) を選択してXファンクションをツリービュー表示します。
  4. 使用のコンテクストブランチを展開します。
  5. LabTalkのチェックを外します。
  6. Xファンクションを保存します。

Note: 組み込みXファンクションの上書き保存はできません。ユーザ定義Xファンクションとして保存する必要があります。ユーザファイルフォルダとシステムフォルダに同じ名前のXファンクションがある場合、ユーザファイルフォルダの下にあるXファンクションが使用されます。


関連項目