Originの解析ツールには、入力データを指定する方法がいくつかあります。例えば、ワークシートでの事前選択、データ範囲入力、リストから選択、ツールのインタラクティブデータ選択機能などです。 必要に応じて、データ範囲選択も柔軟にでき、複数のワークシート列、ワークシート列の一部、ワークシート列の不連続部分を選択できます。
入力データを事前に選択してから、解析ツールを開く方法が最も簡単です。 このように操作すると、ツールを開いて設定するといった手数を掛けずに、適切にデータ入力フィールドを設定できます。 例えば、ワークシートのY列やY列にある一部の範囲を選択してから、線形フィットツールを開きます。すると、ツールの入力データの項目に選択したデータが設定され、他のフィットオプションを設定してOKをクリックするだけで、線形フィットを実行できます。複数Y列を選択する場合、各列が入力データの下にそれぞれ表示されます。 (必要に応じて、そのまま使うか、調整します。)すべての解析ツールで複数範囲選択が可能なわけではないので注意してください。例えば、スムージングツール(解析:信号処理:スムージング)は、1つのXY範囲でのみ動作します。
分析ツールの「入力データ」の自動初期化は、グラフ化したデータでも適用されます。 グラフウィンドウをアクティブウィンドウとして分析ツールを開くと、アクティブレイヤのアクティブな曲線が分析用に選択されます。 また、分析ツールを開く前に、1つの曲線または複数曲線の一部を選択することもできます。 この操作をしてもダイアログボックスを開いた後に解析対象の曲線を追加したり、削除することができます。 解析ツールが開いたときにアクティブな曲線がない場合、入力データの項目は空白になります。 グラフ内のデータ範囲の指定についての詳細は、グラフ内のデータ選択をご参照ください。
![]() | Origin 2020bから、X軸のスケールをカスタマイズするには、ズームまたは開始と終了のスケールの値を設定したあと、分析ダイアログを開いて、Xスケール範囲を使用を選択して、グラフのXスケール範囲を入力範囲として分析できます。 |
このトピックの残りはOriginの分析ダイアログの入力データブランチでデータ範囲を指定する方法を説明します。
入力データブランチの一番上のレベルは、入力データセットのすべてを表示します。+アイコンをクリックして、このブランチを拡張し、入力データ範囲を表示します。
範囲ボックスの右にある右向きの三角形ボタンをクリックすると、(a) アクティブウィンドウのデータ列のリストおよび (b) 入力範囲を指定または修正するメニューコマンドが表示されます。
リストの内容は、その時アクティブになっているウィンドウの種類やどのボタンがクリックされたかに依存します。このオプションを使って次のことが可能です。
操作したいこと | 手順 |
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入力データの変更 |
リストから別のデータ列を選択し、現在選択している列と置き換えます。 |
データ範囲の追加 |
リストから追加または全列を選択し、既存の範囲リストに新しい範囲のノードを追加します。 ツールを閉じることなくデータを追加できます。 |
入力のリセット |
リストのリセットコマンドをクリックすると、すべてのデータフィールドを消去して、入力データ範囲を再度入力することができます。 |
入力範囲の制限 |
各範囲ノードには行ボックスがあり、分析するデータ行の開始と終了を指定することができます。 Xによる(X値)または行による(行番号)指定のオプションが一般的です。
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グラフ内のデータを選択 |
グラフウィンドウがアクティブなときにツールを開くと、別のデータリストが表示されます。 この場合、入力データとしてアクティブな曲線を設定しますが、アクティブレイヤまたはページから別の曲線を追加したり、置き換えることができます。 すべてのプロットを選択したり、リセットして全ての範囲を消去できます。 グラフから選択オプションは、グラフに移動し、データセレクタツールを使って、1つまたは複数の曲線選択を行うことができます。 |
各データ範囲フィールドの隣に、インタラクティブデータ範囲セレクタボタンがあります。このボタンをクリックすると、ダイアログが「ロールアップ」します。 ロールアップした状態では、ダイアログボックス外部で操作してデータ範囲を選択できます(ツールを開いたときにアクティブだったウィンドウであるワークシートまたはグラフからデータを選択します)。
範囲を選択したら、 ロールアップしたダイアログボックスの右端にあるボタンをクリックします。すると、分析ツールに戻り、入力データノードに選択したデータ範囲が反映されます。
データ範囲選択の詳細については、以下のトピックを参照してください。
LabTalkのデータ範囲表記のシンタックスに詳しければ、「入力データ」ブランチの下にある編集ボックスに直接入力して、入力範囲を指定できます。一部の解析は、単一のデータセットのペア(例:補間/補外)に対して作用し、この場合のシンタックスは、
[Waterfall]Waterfall!(A,B)
ワークブックWaterfallおよびワークシートWaterfallの列A、列Bを指定します。
その他の解析は、複数のデータセット(例:テーマによるバッチピーク解析)に対して同時に作用し、この場合のシンタックスは、
[MultiplePeaks]"Multiple Peaks"!(A,B:E)
ワークブックMultiplePeaksおよびワークシートMultiple Peaksの列Aと列B~E列を指定します。
XY列属性を必要としない解析(例:度数表)では、この場合のシンタックスは、
[MultiplePeaks]"Multiple Peaks"!(2:5)
列2から5を指定します。
LabTalkのデータ範囲表記のシンタックスについての詳細は、こちらを参照してください。
![]() | ワークシートに多数の列データが含まれている場合、入力データテキストボックスは上手く作動していないように見える場合があります。このような場合は、範囲文字列をメモ帳のウィンドウに入力してから、テキストボックスにコピーして貼り付けてください。 |
異なる解析ダイアログでは、データ入力ノードからタイプごとにオブジェクトブラウザを開くことができます。これらのブラウザは、現在のワークブック、現在のフォルダといった指定したパスにある有効な解析対象のオブジェクトを一覧表示します。ブラウザを使ってデータを選択、追加、置換、削除することができます。
ほとんどの分析ダイアログでは、範囲テキストボックスの右にあるボタンをクリックして、列を選択メニューを選択するか、非線形曲線フィットダイアログの ボタンをクリックして、列ブラウザを開きます。データセットブラウザ、列ブラウザ、範囲ブラウザダイアログは、同じように使用できます。
このダイアログを使って次のことが可能です。
値の設定ダイアログから変数:範囲変数の追加ダイアログメニューを選択して開くことができる範囲ブラウザの場合、除外ボタンの横に挿入モードオプションが1つあります。これを使用して、名前またはインデックスによって範囲を挿入する方法を決定できます。
range r1 = [Step01]1!Col(2); ///シート/列番号による range r2 = [Step01]Step01!B"Sensor A x"; ///シート/列名による
線形フィットダイアログの入力データブランチまたは他のいくつかの分析ツールから開くことができるデータセットブラウザの場合、除外ボタンの横にあるグラフからのデータセットのみを選択チェックボックスが存在します。これを使用して、選択した場所内のグラフのデータセットを除外できます。
行列の拡張ダイアログや行列の転置ダイアログなどの行列関係ダイアログには、右向き矢印ボタンがあり、 行列ブラウザを選択して行列ブラウザダイアログを開くことができます。
このダイアログを使って次のことが可能です。
目的 | 手順 |
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異なる場所にある行列を表示 |
「行列のリスト 」ドロップダウンリストから適切な場所を選択します。 |
行列を削除 |
下側のパネルから行列を選択し、「除外」ボタンをクリックします。 |
列をソート |
上側のパネルで、シート、インデックス、ロングネームなどの列のヘッダをクリックし、データセットをソートします。階層(ネスト)ソートするには、2番目の列ヘッダをクリックする前にSHIFTキーを押します。 |
ブラウザにある行列を除外 |
上側のブラウザパネルに多くの行列があるとき、表示したくない行列を選択して、除外ボタンをクリックします。 |
選択した行列を置換 |
行列を選択して下部パネルに追加したら、上部パネルで別の行列を選択し、「置換」ボタンをクリックして置換できます。 |
行列の値の設定ダイアログでMat(1):行列ブラウザを選択すると、行列オブジェクトブラウザが開き、現在の行列ウィンドウ内の行列オブジェクトを選択することができます。ブラウザ内で一つの行列オブジェクトを選択し、親ダイアログに追加できます。
画像処理ツールでは、範囲ボックスの右側にある右向き三角形のボタンをクリックしてイメージブラウザメニューを選択すると、イメージブラウザを開けますs。
このダイアログを使って次のことが可能です。
目的 | 手順 |
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異なる場所にあるイメージを参照 |
イメージのリストドロップダウンリストから適切な場所を選択します。 |
イメージを削除 |
下側のパネルからイメージを選択し、削除ボタンをクリックします。 |
イメージを置換 |
上側のパネルからイメージを選択し、置換ボタンをクリックします。 |
イメージをソート |
上側のパネルで、シート、インデックス、ロングネームなどの列タイトルをクリックし、データセットをソートします。 |
イメージをブラウザから除外 |
上側のブラウザパネルに多くのイメージがあるとき、表示したくないイメージを選択して、除外ボタンをクリックします。 |
グラフウィンドウの統合またはグラフエクスポートダイアログでは、指定入力または出力モードでボタンをクリックしてグラフブラウザを開けます。
このダイアログを使って次のことが可能です。
目的 | 手順 |
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グラフを追加または削除 |
フィット比較ツール (fitcmpdata & fitcmpmodel) では2つのフィットを比較するためにフィット結果を使用します。ボタンをクリックしてレポートツリーブラウザを開くと、フィットレポートのワークシートを指定できます。
このダイアログを使って次のことが可能です。
目的 | 手順 |
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レポートワークシートを指定します。 |
ダブルクリックしてレポートワークシートを選択します。 |
レポートワークシートをソート |
ワークシートやクラスといった列タイトルをクリックしてワークシートをソートできます。 |
複数ページの PDFファイルとしてやイメージファイルとしてダイアログでは、指定モードを利用している時に、ボタンをクリックしてシートブラウザダイアログを開く事ができます。
また、レイアウトを新規に作成して、ワークシートの追加をシートブラウザダイアログのコンテキストメニューから選択する事もできます。
このダイアログを使って次のことが可能です。
目的 | 手順 |
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ワークシートを追加 |
右側パネルでワークシートを選択してOKボタンをクリックします。 |
ショートカットでワークシートを追加 |
ショートカットページを含めるのチェックを付けるとワークブックのショートカットが左側パネルに表示されます。そして、どのワークシートに追加するか、選べます。 |