テキストラベルは、ワークブック、ワークシート、列、セルの値やメタデータ、データファイル情報、さらにはデータ統計など、さまざまなプロジェクト情報を表示するために、静的リテラルテキストや、ランタイム文字列置換を行うLabTalk置換表記文字列のようなシンプルなものにすることができます。
軸タイトルや凡例、データポイントラベルのようないくつかのテキストラベルはOriginによって自動的に生成される一方でほかにもテキストまたはデータラベルツールで手動で追加するものもあります。手動で追加するラベルでは置換へのリンクがチェックされているか、テキストオブジェクトダイアログのプログラミングタブにあるレベルが1に設定されていることを確認してください。
グラフウィンドウのコンテキスト内では、テキストラベルを2つのグループにまとめることができます。
テキストラベルでワークシートセルの値を表示する最も簡単な方法はリンクをコピー&ペーストすることです。
ワークシートのセル値を変更すると、ラベルに表示されている値が変更されます。
貼り付けたリンクはほとんどのユーザにとって適切ですが、ワークシートセルの置換にはいくつかのオプションがあることも理解してもらえるとよいです。
置換が動作するように最初にテキストラベルをクリックして表示されるミニツールバーで置換へのリンクにチェックがあることを確認してください。または、テキストラベル上で右クリックして、プロパティを選択します。プログラミングタブをクリックし、 (%,$)にリンク,置換レベルを1と設定し、OKをクリックします。
構文 | 説明 | 例 |
---|---|---|
%(workbookName, Column, row#[, format]) |
ワークブックでアクティブなシートの列、行 |
//book1のアクティブなシート、2列 5行を完全精度で %(Book1,2,5) //book1のアクティブなシート、列Bの5行目を, 小数点2桁で %(Book1,B,5, .2) |
%([workbookName]Sheet, Column, row#[, format]) | ワークブックの特定のシートの列、行 |
//book1のsheet1にある2列、5行を完全精度で %([Book1]Sheet1,2,5) //book1のsheet1にある2列、5行を有効数字3桁で %([Book1]Sheet1,2,5, *3) |
%(workbookName, @WL, column[row] [,format]) | ワークブックでアクティブなシートの列、行 |
//book1のアクティブなシート、2列 5行を完全精度で %(Book1, @WL, 2[5]) //book1のアクティブなシート、列Bの5行目を, 小数点2桁で %(Book1,@WL, B[5], .2) |
%([workbookName]sheetName, @WL, column[row] [,format]) | ワークブックの特定のシートの列、行 |
//book1のsheet1にある2列5行を完全精度で %([Book1]Sheet1,@WL, 2[5]) //book1、sheet1、2番目の列、5行目をワークシートセルと同じ表示で %([Book1]Sheet1,@WL, B[5], W) |
%(plotindex, @WT, column, row[, format]) | 指定したプロットのソースワークシートまたは列 |
//第1プロットのワークシート、列F、5行目 %(1, @WT,F,5) //2番目のプロットのYデータシート、6列5行小数点2桁で %(2Y, @WT,6,5, .2) |
Note:
次のグラフでは、MM/DD/YYYY 形式のA1セルに含まれる開始日のテキストを示しています。
データ行セルに加えて、テキストラベルの列ラベル行セルの値を置換できます。再度、置換が動作するように最初にテキストラベルをクリックして表示されるミニツールバーで置換へのリンクにチェックがあることを確認します。または、テキストラベル上で右クリックして、プロパティを選択します。プログラミングタブをクリックし、 (%,$)にリンク,置換レベルを1と設定し、OKをクリックします。
必要に応じて、使用できるするシンタックスがいくつかあります。
最後のオプションは、列ラベル行の文字(LabelRowChar)を使用します。
サンプル | 説明 |
---|---|
%(1, @LD"Mean") | 第一プロットの列のユーザ定義パラメータ行の値 |
%(1, @LF, B) | 第一プロットのB列のフィルタ条件 |
$(%(2Y, @LC), .2) | 第二プロットのY列のコメントを小数点以下2桁で |
%(1X, @WT, 5, D2) | 第一プロットのXデータがあるワークシートの5列目の2番目のユーザパラメータ行の値 |
下図は列CとDからプロットされており、テキストラベルで列 Bのフィルタ条件を示します。
LabTalk関数を使用してデータセット統計を計算し、結果をテキスト ラベルで表示することもできます。再度、置換が動作するように最初にテキストラベルをクリックして表示されるミニツールバーで置換へのリンクにチェックがあることを確認します。または、テキストラベル上で右クリックして、プロパティを選択します。プログラミングタブをクリックし、 (%,$)にリンク,置換レベルを1と設定し、OKをクリックします。
シンタックスは、以下の通りです。
ここで
次の表では、例としてLabTalk関数 total() を使用します。$( )置換は、計算をオプションのOriginフォーマットで文字列に変換して表示をカスタマイズするために使用されます。
データセット | 説明 | 例 |
---|---|---|
%C | アクティブデータセットの文字列レジスタ |
$(total(%C)) //現在のデータセットの合計 $(total(%C), .2) //現在のデータセットの合計を小数点以下2桁で |
%(plotindex, @D) | 指定したプロットのデータセット |
$(total(%(1, @D)) //最初のプロットの合計。2Dの場合、Yデータセットを参照 $(total(%(2X, @D)), *3) //2番目のプロットのXデータセットの合計を有効数字3桁で表示 $(total(%(2.1, @D))) //2番目のレイヤの最初のプロットのYデータの合計 |
%(plotindex, @WT, columnNameorIndex) | 指定したプロットのデータセット |
$(total(%(1, @WT, 5))) //最初のプロットが含まれるワークシートの 5番目の列の合計 $(total(%(2X, @WT, E))) //2番目のXデータが取得されるワークシートの列Eの合計 $(total(%(1, @WT, "Decay 2"))) //最初のプロットのシートの列 (ロングネーム「Decay 2」) の合計 |
%([book]Sheet, column) | ワークシート列置換 |
$(total(%([book1]1, C )) //book1の1番目のシートのC列の合計 |
ds または ra | データセットまたは範囲変数または式 |
$(total(ds)) //データセットds={1,2,3};とする $(total({2,4,6})) //{2,4,6}の合計 $(total(ra), .0) //範囲 ra=[book1]sheet1!B と仮定し、小数点以下0桁で $(total([book1]1!C[5:0])) //Book1、1シート目、5行目から最後までの範囲列合計 |
次のテキストラベルは、プロットの合計値を計算します。値は、カンマ区切り文字を使用し、小数点以下0桁でカスタマイズされます。
テキストラベルのインプレース編集モードで、右クリックして、挿入: 情報変数(Ctrl+L) を選択してプロットされたデータのファイル、ブック、シート、列情報を挿入できます。
右側でブック、シートまたはプロットのXおよびY列ノードを選択します。情報またはラベルタブで挿入する情報を選択します。デフォルトで、置換表記で挿入されます。
ワークシートの値を表示するのに加え、テキストラベルに変数値を含めることができます。再度、置換が動作するように最初にテキストラベルをクリックして表示されるミニツールバーで置換へのリンクにチェックがあることを確認します。または、テキストラベル上で右クリックして、プロパティを選択します。プログラミングタブをクリックし、 (%,$)にリンク,置換レベルを1と設定し、OKをクリックします。
タイプ | サンプル | 説明 |
---|---|---|
文字列レジスタ | %X%G.opju | 現在のプロジェクトのパスとファイル名を末尾に .opju を付けて表示 |
文字列変数 | %(user$) | 文字列user$の内容を表示 |
数値変数 | $(myvalue, .2) | 変数 myvalue を小数点以下2桁で表示 |
文字列レジスタは、Originで文字列データを処理する手段の1つです。プロジェクトパス%X、プロジェクトファイル名%G、現在のアクティブ データ%Cなどの重要な情報を保持する予約済みのシステム文字列レジスタです。
現在のプロジェクトMYPROJECT.OPJ がC:\MYFILES\に保存されているとします。
逐次解釈オプションの使用に関する詳細は、「オブジェクトプロパティ」ダイアログボックスでの円記号(バックスラッシュ)の利用をご覧ください。
LabTalkを使用して、作業で使用する変数を定義できます。「変数」と「スコープ」の考え方については、このトピックを確認してください。基本的な数値表記を説明するために、次の簡単な例を紹介します。
MyVariable=5
MyVariable=$(MyVariable)
利用可能なLabTalkの変数を一覧するには、スクリプトウィンドウを開き(ウィンドウ: スクリプトウィンドウ)、ツール: 変数を選ぶか、コマンドラインに"ed"と入力します。 |
Originは、 標準的なWYSIWYGテキスト編集法でのテキスト作成時や「オブジェクトプロパティ」ダイアログボックスでのテキストラベル編集時に置換表記をサポートしています。さらに、この表記を使って、数式を解いてテキストラベルに値を表示することができます。
この置換表記では、テキストラベルが再描画される度に数式が解かれ値が表示されます。 ラベルを移動したり、グラフウィンドウを再描画する度に、テキストラベルは再描画されます。
標準ツールバーのリフレッシュボタン をクリックして、変更を見ます。
Originを起動すると、プログラムフォルダのORGSYS.CNFというテキストファイルが読み込まれます。このファイルで、スクリプトウィンドウや列値の設定ダイアログでの変数定義と同じように、piの値が定義されています。 const pi = 3.141592653589793 もし、通常使用する数学的な定数がある場合、ユーザファイルフォルダのCONST.CNFでそれを定義すれば、Originを起動するたびに利用可能になります(CNFファイルは、メモ帳などのテキストエディタで編集できます)。 |
日時情報をテキストラベルとしてグラフやワークシートなどに追加するには、いくつかの方法があります。
プロット操作・オブジェクト作成ツールバーの日時ボタンをクリックすると、日付と時刻のスタンプをグラフに追加できます。
これは静的なテキストオブジェクトであり、日時ボタンをもう一度クリックしない限り、現在の日付/時刻が保持されることに注意してください。
詳細は、このページをご覧ください。
現在の日時をテキストラベルに組み込む方法はいくつかあります。日時ボタンとは異なり、このようなテキストラベルはグラフテンプレートと共に保存でき、ウィンドウ作成の日付と時刻をグラフにスタンプするために使用できます。次の方法のいずれかを使用して作成されたテキストオブジェクトでテンプレートを保存すると、現在の日時のリテラルテキストではなく、ラベルの基になるコードが保存されることに注意してください。
基本的なプロセスはこのようになります。
@D または @T 構文を使用して、日時ラベルをグラフに追加します。
$(@D, DMM-dd-yyyy HH:mm:ss)
Note: ここで使用されている特定の日時形式は、あくまで一例です。@D と @T のフォーマットについて詳しくは、LabTalkリファレンスのこのセクションを参照してください。 |
この方法は、短いスクリプト行をテキストオブジェクトに追加することで機能します。そのスクリプトはウィンドウオープンでトリガーされるため、グラフが作成された日時でグラフがスタンプされます。
%(dt$)
Note: ここで使用されているOrigin日時関数と日時形式の組み合わせは、ほんの一例です。
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