ページビューモードのオプション:「スピード」対「正確さ」

Note: 処理速度が向上するにつれて、以下で説明する設定を調整する必要性は低くなってきています。最近のバージョンのOriginでは、2つの重要な変更が行われました。
  • Origin 2017以降、ビューモードは作図の詳細(ページ属性)でのみ変更できます。表示メニューからの設定はできません。
  • 古いバージョンのウィンドウビューはマウスでドラッグしてウィンドウのサイズ(ページの寸法ではなく)を変更したときにフォントが歪んで表示されましたが、Origin 2018b以降のバージョンではフォントやテキストラベルなどをよりクリーンな描画に変換するよう変更されました。また同時に、主に分析結果をワークスペースで表示することを目的として、新しいウィンドウビューではページのサイズが変更されるため、元のグラフページサイズとは関係なくページのカスタマイズされたビューをエクスポートできます。ただし、ページのサイズを変更すると、テキストラベルのサイズや配置などが中断される可能性があるので、必要なときにのみこのモードを使用することをおすすめします(下記の説明を参照)。

はじめに

大きなデータセットを扱っていたり、多くのオブジェクト(例:テキストラベル、ビットマップなど)を含むグラフを作成する場合、スクリーン再描画速度の高速化が望まれます。 一方、最終的な印刷のためにグラフを作成するときは、テキストラベルや画像などを正確に配置することが最も重要です。 描画速度とオブジェクト配置の正確さは、トレードオフの関係になっているため、Originには異なる表示モードを選択できる機能を備えています。

目次

Originの画面イメージの作成方法

Originは、ビデオドライバまたはプリンタドライバのどちらかを使用して画面に表示するイメージを作成しています。 Originがビデオドライバを使ってグラフページを描画すると、画面の再描画にかかる時間は短くなりますが、解像度は一般に低くなります(そのためオブジェクトの配置は正確さに欠けます)。 逆に、Originで高解像度のプリンタドライバを使ってページを描画することもできます。画面の再描画にかかる時間は長くなりますが、画面に表示されている通りに印刷または画像エクスポートできます(WYSIWYG : What You See is What You Get)。

表示:フルスクリーン

このモードは表示メニューからオンにできます。

フルスクリーン

フルスクリーンモードは、アクティブなグラフページを拡大して画面全体に表示します。 これは、表示専用ビューモードです。 グラフを編集することはできず、フルスクリーンモードではツールバーのボタンは表示されません。

  1. アクティブウィンドウを全画面表示モードに変更するには、表示:フルスクリーンを選択します。
  2. 全画面表示モードを終了するには、マウスを1回クリックするか、Escキーを押します。

Originの表示モード

ページの表示モードは、個々のグラフウィンドウに対して別々に設定されます。表示モードは印刷や画像エクスポート時の品質には影響しません。 画面に表示されている内容が、印刷または画像エクスポートされた出力とどのくらい密接に一致するかを決定する設定です。 印刷出力の品質はプリンタの設定で決まります。 画像エクスポート出力の品質は、選択したエクスポートのオプションによって決まります。 どちらの場合でも、Originの印刷ビューモードが最終的な出力に最も近いものとなります。

印刷ビューだけがWYSIWYGなので、テキストラベルや描画オブジェクトの配置の最終的な調整を行う場合、この表示モードが選択されていることを確認してください。

印刷ビュー

印刷ビューは、WYSIWYG (What You See is What You Get)表示モードです。 フォント情報は、現行のプリンタドライバから直接受け取りますので、印刷ビューでの画面表示は、通常、実際にプリンタで印刷したページに正確に対応するページを表示します。 プリンタドライバのフォントはページ上の位置に合うようにスケールされなければならないため、スクリーンでの外観を多少犠牲にする代わり、正確なフォントの位置とサイズの表示が保証されます(ベクターフォントでは外観は正しく保たれます。)。

印刷ビューでの表示は、システムにより時間がかかります。 画面の再描画に時間がかかるようなら、印刷ビューモードは印刷する直前まで使用を控えたほうが効率的です。

アクティブなグラフウィンドウを印刷ビューモードで表示するには、以下の操作のいずれれかを実行します。

  1. グラフウィンドウ内かつページの外で、マウスの右ボタンをクリックし、ショートカットメニューから印刷ビューを選択します。

または

  1. フォーマット:作図の詳細(ページ属性) を選択し、そのページの作図の詳細ダイアログボックスを開きます。
  2. その他のオプションタブを開き、ビューモードのドロップダウンリストから印刷ビューを選択します。
ページビュー
(デフォルト)

ページビューモードは印刷ビューモードよりも速やかに画面を更新しますが、Adobe Type Manager 等のタイプフェーススケーリングソフトウエアを使用していない限り、画面上での正確なテキストの位置の表示は約束されません。

印刷ビューモードが遅すぎる場合は、印刷またはエクスポートの準備ができるまでページビューモードを使用するとよいでしょう。 次に、印刷ビューモードに切り替えて、オブジェクトの配置を最後に確認します。

アクティブなグラフウィンドウをページビューモードで表示するには:

  1. フォーマット:作図の詳細(ページ属性) を選択し、そのページの作図の詳細ダイアログボックスを開きます。
  2. その他のオプションタブを開き、ビューモードのドロップダウンリストからページビューを選択します。
ウィンドウビュー

ウィンドウビューでは、ページを拡大してグラフウィンドウ全体にページを表示します。 ページの灰色の部分にあるグラフウィンドウのラベル、ボタン、その他のオブジェクトはウィンドウビューモードでは表示されません。

Origin 2018b以降、ウィンドウビューは、テキスト(目盛ラベルを含む)が歪んだ粗い「表示専用」モードから、テキストが保存されたグラフのエクスポート可能なビューに変更されました。このモードは、プロットがXまたはYの次元で「引き伸ばし」されていることを確認する場合に、プロットを検査することを主な目的としています。マウスでウィンドウ枠をドラッグしてプロットを伸ばします。

Window view resize.png

Note:以前のバージョンとは異なり、ウィンドウビューモードではページの寸法が変更され、ページビューを再度選択してもページ寸法を元に戻すことはできません。ページ寸法は手動で元に戻すか、または作図の詳細ダイアログを閉じて、メニューの編集:元に戻す:ページの変更を使用して元に戻します( ただし、作図の詳細ダイアログにて行われた他の設定変更も失われます)。ウィンドウビューの使用は、プロットを一方向に引き伸ばして探索的分析を行うときに限定するのがよいでしょう。Originの解析ダイアログボックスに表示されるグラフプレビューイメージは、通常、ウィンドウビューで描画されます。

アクティブグラフウィンドウをウィンドウビューで表示するには:

  1. フォーマット:作図の詳細(ページ属性) を選択し、そのページの作図の詳細ダイアログボックスを開きます。
  2. その他のオプションタブを開き、ビューモードのドロップダウンリストからウィンドウビューを選択します。
ドラフトビュー

ドラフトビューは、四つの表示モード中、最も速くスクリーンを更新します。 ドラフトビューでは、ページの大きさは自動的にグラフウィンドウの大きさになります。 この表示モードは、主にスクリーン上のデータを見る場合に便利です。

アクティブグラフウィンドウをドラフトビューで表示するには:

  1. フォーマット:作図の詳細(ページ属性) を選択し、そのページの作図の詳細ダイアログボックスを開きます。
  2. その他のオプションタブを開き、ビューモードのドロップダウンリストからドラフトビューを選択します。

ドラフトビューではページの回転はできません。 テキストの回転とテキストのフォーマット(上付き、下付き、ギリシャ文字、文字スタイル、フォント等)は、ドラフトビューには表示されません。 テキストはすべてシステムフォントで表示されます。 テキストの回転とフォーマットは、ページビューまたは印刷ビューに変更すれば再表示されます。