コードビルダは、Origin CとLabTalkプログラミングの統合開発環境(IDE)です。 コードビルダは、Origin Cのプログラムを記述/編集したり、コンパイル、リンク、デバッグをしたり、実行するためのツールを提供します。 Origin Cコードは、テキストエディタで書くことができますが、コードビルダのワークスペースに追加して、コンパイルリンクする必要があります。
Origin Cは4種類のファイル、ソース、オブジェクト、プリプロセス、ワークスペースを利用します。
ソースファイルは、実際にはテキストファイルで、人間が読むことができるOrigin Cコードを含みます。 コードビルダや他のテキストエディタで作成することができ、どの場所にでも保存できます。 コードビルダのテキストエディタは、シンタックスの色付け、内容に応じたヘルプ、デバッグの機能があります。また、コードビルダでは暗号化Origin Cファイル(*.ocz)を作成でき、他の人と安全にファイルを共有できます。
ソースファイルはコンパイル、リンク、ロードされるまで、それらをOriginで使用することはできません。
ソースファイルがコンパイルされるとき、オブジェクトファイルが生成されます。 オブジェクトファイルはソースファイルと同じファイル名を持ちますが、ファイル拡張子は、*.ocb となります。 オブジェクトファイルは、コンピュータが読むことができ、Originはその関数を呼び出して実行します。 Originは、最初にソースファイルをコンパイルし、そして、ソースファイルが変更されたら再コンパイルします。
Origin内のオブジェクトファイルは、バージョンに依存し、それらを共有することはできません。 関数やOrigin Cアプリケーションを共有する場合、代わりにプリプロセスファイルを共有します。
デフォルトで、Originはソースファイルをコンパイルし、オブジェクトファイルを生成します。 しかし、下記のシステム変数で、オブジェクトファイルの代わりにプリプロセスファイルを生成するように変更することができます。 プリプロセスファイルは、コンパイルが必要ですが、コードの共有に対して次のようなメリットがあります。
オブジェクト(OCB)または、プリプロセス(OP)ファイルのどちらかを生成するシステム変数は、@OCS, @OCSBです。スクリプトウィンドウまたはコードビルダのLabTalkコンソールで、これらの値を変更できます。 例えば、スクリプトウィンドウで、次のように入力します。
@OCSB=0; // これ以降コンパイルでOPファイルを作成
この変数のデフォルト値は1で、これはOCBファイルまたはOPファイルを作成します。@OCS=0の場合、コンパイラはOCBファイルまたはOPファイルを作成しません。
@OCSB=1がデフォルト値で、これはコンパイル時にオブジェクトを生成します。OPファイルを生成するには、OPファイルがコンパイル時に生成された後、@OCSB=0とセットします。OPファイルは、ソースファイルと同じフォルダ内に保存され、同じファイル名を持ちますが、拡張子がOPとなります。@OCS=0の場合、この変数は意味がありません。
Note: 1.生成されたOPとOCBは、32bit、64bitのバージョンを持ちます。例えば、32bitバージョンのabc.cから生成されたopファイルは、abc_32.OPという名前になります。 2.Origin 9.0以降、生成された32bitあるいは64bitバージョンのファイルは、対応するバージョン(32bitあるいは64bit)のOriginでしか動作しません。 |
コードビルダでは、数多くのOrigin Cソースファイルを含むプロジェクトを作成または使用できます。 これらのファイルは、フォルダ内で階層で統合化されていたり、されていない場合があります。このようなファイルを、プロジェクトを切り替える度に、手動でロードするのはとても不便です。
このような理由で、Userフォルダに含まれる構造およびファイルはワークスペースファイルに保存することができます。 ワークスペースファイルをコードビルダにロードする際に、プロジェクトは直前に保存した状態に戻ります。割り当てられた構造が何であっても、すべてのソースファイルが利用できます。
コードビルダのワークスペース表示は次の、6つのフォルダがあります。
各フォルダ内のファイルは、次のように異なるイベントでコンパイルリンクします。
このフォルダはパッケージを管理するために使用されます。フォルダのみが含まれ、それぞれUser Filesフォルダのディスクフォルダを表します。特別なフォルダCommonは全てのパッケージで共有されるファイルを保持するために使用されます。各パッケージフォルダは、"User Files"というフォルダを持ち、これはUser Filesフォルダ内にあるファイルを持ちます。
Appsフォルダで右クリックすると、次の2つのメニューが表示されます。
最初のメニューは、User Filesフォルダの既存フォルダを選択するのに使用し、2つ目のメニューは、Untitledという名前の新しいフォルダを作成して、User FilesフォルダにもUntitledという新しいディスクフォルダを作成します。新規作成メニューを繰り返し選択するとUntitledフォルダが複数作成されます。
Note: Common はパッケージではないので、コンテキストメニューは最初の2つの項目だけです。各パッケージ内にあるUser Files フォルダも同様です。
Projectフォルダ内のファイルは、現在のOriginプロジェクトファイル(*.OPJ)に保存されます。それらを含むOriginプロジェクトファイルを開く際に、それらはコードビルダワークスペースのプロジェクトフォルダに追加されます。 それらは自動的にコンパイルリンクされ、プロジェクトファイルを開きます。
Systemフォルダ内のファイルは、Windowsフォルダ内に外部的に保存されます(通常Origin Cフォルダまたはそのサブフォルダの1つ)。それらは、自動的にコードビルダワークスペースのSystemフォルダに追加され、Originが起動したときにコンパイル、リンクされます。
Project, System, Userフォルダ内にリストされていないすべてのファイルは、Originを使用しているときにロードされ、コンパイルされ、Temporaryフォルダに現れます。 例えば、グラフをエクスポートする場合、グラフエクスポートを取り扱うために使われるすべてのファイルは、Temporaryフォルダに現れます。
このフォルダは、次で説明するUser Folder に似ています。相違点としては、手動でのコンパイルリンクが必要ないことです。このフォルダ内のファイルは、Origin起動時に自動的にコンパイルリンクされ、このフォルダ下のファイルで定義された関数が利用可能になります。
User フォルダ内のファイルはWindowsフォルダ内に外部保存され、コードビルダワークスペースのUserフォルダに手動で追加されます。コンパイルとリンクは、ユーザがコードビルダで行います。
Note: AppsとUser [AutoLoad] フォルダの内容は、Projectフォルダの内容が各プロジェクトファイル(OPJ)で固有な間は、Originのセッションをまたいで保持されます。 |
コードビルダの操作について簡単に説明します。
void HelloWorld() { printf("Hello World, from Origin C\n"); }
これらのステップは、コードビルダで行うことができますが、Origin Cファイルを効率よく記述したり、デバッグや実行の助けとなる詳細設定があります。 これらについては、後に続くセクションで説明しています。